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トリビア バックナンバー 1/2

平均値

平均値とは何でしょう。

 全体を代表する値という指標はいくつかあります。
 全部の数字を足して、全体の数で割った結果が平均値(算術平均)です。

 通常は「全体を代表する値」として「平均値」を用いることが多いです。
 身長などは、平均値を用いるのが普通です。
 分布が正規分布なら、問題はありません。

 しかし、「全体を代表する値」として「平均値」を用いることが不適切、あるいは、誤解をうむ可能性がある場合は、別の「全体を代表する値」を使います。

 よくいわれるのが「所得」です。
 一部の超富裕層が平均年収をつり上げてしまっているため、平均年収は「普通の人」の年収よりもずっと高い値になってしまうことがあります。

 このため、平均年収は「普通の人」の生活水準を推し測るには向きません。
 分布が正規分布ではないからです。
 このような場合用いられる「全体を代表する値」として用いられるのは「中央値」(メディアン。median)です。
 有限個のデータを昇順あるいは降順などの順番に並べて、ちょうど真ん中の人の値を「中央値」といいます。データが偶数個の場合は、中央に近い2つの値の算術平均をとります。

 年収を例にすれば、年収が低い順に国民を並べたときに丁度真ん中になる人の年収を表しているため、一部の超富裕層の年収は中央値に影響せず、中央値は「普通の人」の生活水準により近くなります。


 他に、「平均値」では誤解をうむ例があります。
 多少古くなりますが、厚生労働省が発表した、平成19年における国民生活基礎調査の概況によりますと、全世帯における1世帯平均貯蓄額は1143万円です。

 通常は「こんなに高いの?」と思われるでしょう。
 一部の超富裕層が「平均」を押上げています。また、引退した高齢者層に貯蓄額が多いことも一因です。

 この場合は、「中央値」を用いればよいのですが、調査概況の中に、「中央値」という記載は見あたりません。

 なお、「全体を代表する値」として、「最頻値」といって、最も分布が多い値を示すこともあります。
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