債務(借金)問題
債務・借金
中小企業金融円滑化法の期限切れと倒産
本来なら、倒産していたはずの企業が倒産せずに生残るということは好ましいとは考えられません。
倒産しかけている企業を生き延びさせることによって、雇用を守るという考えもわからないではありません。
平成25年3月31日で中小企業金融円滑化法が切れます。
当然、中小企業の倒産は増えます。
つい最近、大阪弁護士会で、「中小企業金融円滑化法の期限切れの見通しと対策」という講演がありました。
以下の記述は、私の理解です。
誤りがあっても、当該講師の弁護士さんには関係ないことを付けくわえます。
任意整理により(中小)企業再生を多く手がける弁護士さんの話によると、銀行、信用金庫などの担当者と話していると、中小企業金融円滑化法の期間が満了すれば、20%が生残り、80%が円滑化法の期限切れとともに倒産というふうに見ているそうです。
「どのような会社が、20%に入れるのか」という話ですが、「本業で入ってくるキャッシュが、本業で出ていくキャッシュ(金融機関への返済を除く)」より大きいというのが、必要条件だそうです。
貸借対照表や損益計算書は「粉飾」は容易ですから、参考程度にしましょう。
キャッシュフローは嘘をつきません。
小売業でない限り、キャッシュの収入もキャッシュの支出も、銀行口座でなされているでしょう。
小売業の場合は、キャッシュの収入は、現金でしょうから、レジや現金出納帳でキャッシュの入金が確認できます。
銀行口座、レジや現金出納帳を見て、各月のキャッシュの収入を計算します。
銀行口座を見て、各月のキャッシュの支出を計算します。
それで終わりです。一覧表にしましょう。
あとは、一覧表をみて、本業で入ってくるキャッシュが、本業で出ていくキャッシュを比べましょう。
1 本業で入ってくるキャッシュが、金融機関への返済を含めた本業で出ていくキャッシュ(税・社会保険料含む)を上回っていれば、金融機関へのリスケジューリングを求めるまでもないでしょう。
2 本業で入ってくるキャッシュが、金融機関への返済を除く本業で出ていくキャッシュ(税・社会保険料含む)を上回っているものの、金融機関への返済分のキャッシュが入ってこなければ、金融機関への約定どおりの返済は難しく、金融機関へのリスケジューリングを求めなければ資金がショートします。
しかし、金融機関へのリスケジューリングが可能なら、資金がショートしません。
3 本業で入ってくるキャッシュが、金融機関への返済を除く本業で出ていくキャッシュ(税・社会保険料含む)を下回っていれば、話になりません。
金融機関へのリスケジューリングをしても足りません。
20%の生残り組は、上記の「2」です。
80%が円滑化法の期限切れとともに倒産組は、上記の「3」です。
必ず正しいというわけではありませんが、まず、あっています。