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債務(借金)問題

債務・借金

免責不許可は少ないです

自己破産しても、免責(借金をチャラにする手続き)ができなければ、自己破産した意味がありません。

 ところで、免責が不許可になるパーセンテージはどれくらいでしょうか。
 司法統計を探しましたが見あたりませんでした。
 結局、不許可事例は、裁判所の勧試により免責申立の取下げで終了するのですから、あまり統計を取ってみても意味がないかも知れません。

 普通、破産する場合は、会社の連帯保証人などの場合を除いて、厳密に法律を解釈すれば、ほとんど免責にならないといえばならないのですが、債権者が大手の場合は、免責異議などは言いませんし(誰からの異議もなければ通常免責になります)、また、異議があっても、「破産者の更生のため」と理由をつけ委裁量免責がなされることが多いようです。
 裁判官も人の子「民事上の死刑宣告」はしたくないでしょう。私も、裁判官時代そうでした。

 ちなみに、私や、あるいは、私の知人・友人の弁護士に聞いても、免責にならなかったり(一部、独自の考え方を持つ某元判事に当たった人を除く)、裁判所から免責申立の取下げを勧試されたという弁護士は、誰一人としていませんでした。
 また、弁護士としては、自分の依頼者は、絶対免責不許可だと思ったのに免責になった、不思議でしょうがないという弁護士さんも多いです。
 私も、「絶対」「免責にはならない」と思い、かといって、管財人をつけるだけの金もなく、「弁護士から免責にならない確率が非常に高いことを聞きましたが、債権者に追立てられると、子供にも悪影響をおよぼします。他に方法はありませんから、免責の申立てだけはしてください」と念書までとっていた事件が免責になりました。

 今度は、債権者側で、破産者が、判決で2000万円の支払いの判決をもらったものの、破産申立てをされる直前に未登記の家屋を妻名義に保存登記した事例がありました。
 土地は仮差押さえをしていましたが、家屋は、測量が必要なので仮差し押さえが事前にできなかったのです。測量に行くと、詐害的保存登記をつけてくださいというのと同じです。

 破産管財人が2年かけて、やっと破産者名義になり、競売で売却できました。

 まさか、あきらかな「財産隠匿」だから、免責の申立てをするまいと思っていたのが、破産者が免責申立てをし、裁判所も裁量による免責許可決定をしました。
 債権者が一人、老齢でこれから財産取得の見込みもないという理由でしたが、それなら、免責不許可にしても、負債を墓場まで持っていったらいいだけの話です。
 だいぶびっくりしました。
 高裁に即時抗告しましたが、さあどうなるでしょう。
 ちなみに、大阪地裁や支部ではありません。

(追記・平成20年5月20日)
 上記の事件ですが、高等裁判所で、原決定取消・免責不許可の決定が出されました。
 相手方代理人は、最高裁に特別抗告などをすると書記官に電話してきたようで、書記官もいささか「げんなり」としていました。

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