債務(借金)問題
債務・借金
任意売却物件
購入者、つまり、住宅ローン債務者が、抵当権者である金融機関(通常は、保証会社)とリスケジューリングの話をつけるか、あるいは、個人民事再生(住宅ローン特則付)の手続きにより、裁判所の決定を受けるかしないと、住宅は、最終的に、競売にかけられてしまいます。
しかし、競売手続きでは、高く売れません。
理由としては、以下のものがあげられます。
1 裁判所により各種報告書が提出されるが、強制手続きという制限もあり、必ずしも正確とは限らない
2 基本的に内覧は困難
3 住宅ローンを扱っている金融機関は「ほぼ」ない
4 瑕疵の保証はない
5 強制的に引渡しをさせるため、残留物や退去時期を巡って問題が起こる場合がある
競売手続きになる前に、任意売却という方法で売却されることがあります。
抵当権者である金融機関の了解をえた条件により、所有者自身が「任意」に売却し、売却代金は、全額、金融機関が取得し、不足分があっても抵当権を抹消します。
所有者は「任意」にでていきます。
競売よりも負債が少なくなるからで、破産を決意しているなら、任意売却に応じる必要はありません。競落まで、半年以上、ただで住んでいられます。
任意売却が高く売れる理由は以下のとおりです。
1 売主から必要書類は見せてもらえる
2 内覧が可能
3 住宅ローンは可能
4 残留物や退去時期を巡って問題が起こる場合がまずない
ただ、売買契約書の瑕疵担保条項は抹消され、特記欄に「売主は瑕疵担保は負わない」と記載されます。資力もありませんから、瑕疵がある場合の賠償を期待してはいけません。
この不況で、居住用土地建物の競売は増えています。司法統計からわかります。
それ以上の数の「任意売却」があるといわれています。統計はありませんが、不動産業者にいわせるとそうなっているそうです。
買手にとっての任意売却物件のメリットは、なんといってもその「安さ」でしょう。
同条件の中古価格の8割程度になる場合が多いといわれています。
他方、デメリットは、前期のとおり、瑕疵(物件に欠陥などがあった場合)の保証が付かないことです。
ただ、競売物件も同様です。
業者ではなく、エンドユーザーが「競売物件」を購入することも時々あるようです。
任意売却の場合は、エンドユーザーが購入する割合が高くなっています。