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債務(借金)問題

債務・借金

過払い金のある場合の破産

過払金返還のため、自己破産や個人民事再生で事件を依頼していた債務者が、結局、任意整理で事件が終了することがあります。

 個人の自己破産件数は、このところ、減少しています。
 これは、破産の依頼があったものの、過払いのため任意整理になったということによるものと考えるのが妥当でしょう。
 決して、景気がよくなったというわけではありません。

 少し古い資料なのですが、大阪地方裁判所破産部(第6民事部)における過払金の取扱のガイドラインが示されています。

(同時廃止事件)
1 過払金の調査を必要とする場合
  申立受理8年前以前に取引を開始した貸金契約で利息制限法を超える利息の契約をしているものについては、業者から取引履歴を取得し、利息制限法引直しの表を、申立書に添付しなければならない。
2 過払金の回収を必要とする場合
  利息制限法引直しの表の過払額の額面額(引直し計算した後の過払金返還請求額)の合計額が、
 (1)30万円未満のときは、原則として回収は不要。
 (2)30万円以上のときは、そのまま同時廃止はされず、管財事件に移行するか、額面額の合計を按分弁済しない限り、過払い金の回収を要する。
3 按分弁済を必要とする場合(または、按分弁済が可能な場合)。
  過払い金を回収し、そこから相当な範囲の回収費用を控除した後の合計額が、
 (1)20万円未満のときは、原則として不要(もともとの額面額の合計額が30万円以上であったとしても、回収額から回収費用を控除した後の額が20万円未満であれば、按分弁済は不要。
 (2)20万円以上100万円以下のときは、原則として按分弁済が可能。
 (3)100万円を超えるとき、原則として按分弁済は出来ず、管財事件に移行する。
(管財事件)
 次の要件を満たす過払い金は、原則として拡張相当とし、満たさないものは、従前どおり、原則として拡張不相当とする。
  a 破産申立までに、過払い金の返還額及び返還時期についての合意が出来ているか、又は、既に過払い金を回収済みであること。
  b 申立時に提出する財産目録にその旨が記載されていること。
  c 拡張対象となる財産の評価額が合計99万円を超えないこと。

 管財人をつけるとの申立をするかどうかで、5万円ないし10万円、弁護士費用がアップします。管財人への資料提出、管財人との面談、裁判所の債権者集会への出席など、手数が大きく違いますから。
 また、管財人報酬の予納金20万5000円が必要となります。

 それを調整して、30万円程度なら管財人をつけず、同時廃止を選ぶのが普通です。

西野法律事務所
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