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遺言・相続問題

相続放棄と生命保険

 生命保険の受取人が妻や子などの被相続人以外になっていれば、相続財産ではありませんし、死亡退職金を妻が受取ることとなっていれば相続財産ではありません。
 ですから、生命保険や死亡退職金は受取れます。
 
 現在、多くの生命保険会社では契約から3年経過しないうちに自殺をした場合に保険金がおりない約款となっています。
 自殺を決意した人が、保険契約後、3年間も、自殺の思いをかかえたまま生きていくことは難しいという考えから来ています。
 
 と、一般にはいわれるのですが、自殺した場合、契約後2年間は保険金が下りないという約款が一般的だった当時、契約締結後2年と10日ほどで自殺をしたという人の事件を扱ったことがあります。
 
 死亡保険金で返済する先と金額がノートに一覧表として書いてありました。
 2年の経過を待ち続けていたのでしょう。えらい執念です。
 当然、法定相続人は相続放棄をしました。
 
 さあ、どうしましょうということですね。
 死亡保険金は、妻が受取人となっていました。
妻も含め、法定相続人は、子、きょうだい、甥姪すべてが相続放棄をしました。
 
 生命保険を受取ったのだから、その中から借金を返せという債権者がつめかけました。昔のことですから、今ほど甘くありません。
 結局、親戚からの借金は生命保険から返済しました。
 親戚が連帯保証人として返済させられた分については、親戚に弁償しました。
 業者からの分は、結局無視しました。
 
 うるさい債権者には、弁護士に委任して、受任通知をだしました。
 妻本人は、身を隠しました。
 住民票をそのままにして、他の市に移り住みました。
 弁護士は守秘義務で、住所は教えません。
 何事もなく経過しました。
 
 なお、法定相続人全員が相続の放棄をしたため、妻は、相続財産管理人選任の申立をしています。
 自殺した人の積極財産は、相続財産管理人により按分分配されています。
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