遺言・相続問題
退職金は戸籍上の妻あるいは内縁の妻?
あるサラリーマン(男性)が死亡しました。
男性には、戸籍上の妻と内縁の妻がいました。
男性の浮気のために戸籍上の妻とは離婚できないままで、別の女性と内縁関係となり生活していました。
戸籍上の妻には子の生活費を含めて婚姻費用(生活費)を送金しています。
男性が定年前に病死しました。
退職金は、戸籍上の妻、あるいは、内縁の妻どちらにいくと思われますか
正解は、内縁の妻です。例外がないわけではありませんが・・・
死亡退職によって支給される場合の死亡退職金は、遺族の生活保障を目的としていると考えられているため、遺産ではなく、受取人固有の権利として考えることが一般的です。
公務員は、各法令で定まっています。
一般企業の場合は、就業規則に定められているのが普通です。就業規則には、「配偶者(事実婚含む)」と書かれている場合が多いです。
つまり、死亡退職金は、法令、あるいは、就業規則で定められた受取人が受取ることとなります。そして、受取人は戸籍上の妻ではなく、内縁の妻ということになります。
なお、内縁の妻に相続権はありません。遺言をしてもらっていれば、戸籍上の妻や子からの遺留分を考えても、遺産の2分の1は遺贈を受けられます。
もっとも、定年前の人が遺言をしているのは少数でしょう。
人間、若い時は(退職金受給前の人は)、いつまででも自分は生きていると考えがちですから。