遺言・相続問題
調停の話
逆にいえば、慰謝料、財産分与、子の養育費について合意がなくても離婚は成立します。
ただ、離婚時に、慰謝料、財産分与、子の養育費について定めておくことをお勧めします。
話がつかなければどうするのでしょうか。
弁護士に依頼しなければならないということはありません。
家庭裁判所の調停という制度を利用すれば、費用は、印紙代と郵便切手代だけですみます。
調停を申立てると、相手方に呼出状が郵送されて調停が開始されます。
普通男女の調停委員2名1組が話を聞いて、適切な調停案を出してくれます。
離婚調停の調停委員は、地元の名士や、地元の名士婦人であることが多いです。
男女平等の世の中ですが、地元の名士が女性の場合、本人が調停委員ということはよくありますが、その夫が調停委員ということはあまり聞きません。
いずれにせよ、公正中立な立場で話を聞いてもらえます。
よく、調停委員が、相手に「えこひいき」をするとおっしゃる方がおられますが、「えこひいき」でも何でもなく、それが相場ということはよくあります。
ただ、調停委員が、すべて正しいのかというと、必ずしもそうではありません。
調停委員は、裁判になった場合の相場、問題点を知っているわけではありません。裁判官との評議はあるのですが、調停委員が、裁判官が必要とする情報をすべて把握しているかというと疑問符がつくことがあります。
また、どのような場合もそうなのですが、どうしても話をまとめようとすると、どうしても、聞く耳を持たない当事者の説得はほどほどにして、話の分かる当事者を説得にかかるということがありうるのです。
こんなことはないとは信じたいのですが、調停委員の調停を成立させる率によって、表彰や名誉的な褒賞に差が出るという話を聞かないではありません。
調停委員の中には、何が何でも調停を成立させたいと考える人があっても不思議ではありません。
調停委員の調停案に、どうしても納得がいかない場合には、弁護士に法律相談されることをお勧めいたします。
自分が無理をいっているのか、調停委員の案に疑問があるのか、答えを得られるでしょう。
もちろん、相談した弁護士さんの意見が正しいという保証もないのですが、納得のいかない調停案を無理にのまなければならないということはありません。
なお、子の養育費については、両親の収入に応じて、ある程度機械的に算出できる計算式があり、計算表があります。
源泉徴収票や確定申告書の控えを持参するようにとの指示があるのはこのためです。
令和元年に改正された算定表によります。
「案外」安いというのが、私の実感です。
弁護士は、父母どちらの代理人もしますので、母が養育するという前提で、父親の代理人となった場合はラッキー、母親の代理人となった場合はアンラッキーと考えることが多いです。