遺言・相続問題
老親の奪い合い
親が介護を要する状態になる場合があります。
夫婦が双方生きている場合はまだましなのですが、どちらかが取り残されて一人暮らしをしていたとします。
財産がなければ、子どもたちが、老親を押しつけあいすることがあります。
逆に、まとまった財産があれば、自分のところに「取り込もう」とします。
高齢になり、介護が必要になったとき、誰しも弱気になります。
そんなとき、子の1人から「一緒に住もう」という優しい言葉をかけられると、「くらっ」となるもののようです。
もちろん、子が、優しい言葉をかける理由が、純粋なものなら全く問題ありません。
デイサービスを利用しながら、子や孫に囲まれて、生活していくことは悪くありません。
しばらくして、特別養護老人ホームなどの介護施設に入所し、病院などで死を迎えられれば、それに越したことはありません。
子の1人が、1人暮らしの老親に「一緒に住もう」という優しい言葉をかける理由が、財産目当てという場合があります。
しばらく面倒をみて、折りをみて自分に有利な遺言書を作成させようという魂胆です。
ただ、ある意味、それでも悪いことばかりではありません。
遺言書は、いつでも書き換えられます。
自分に有利な遺言書を書いてもらったから用はないということにはなりません。
自分に有利な遺言書を書いてもらったからといって、邪険にすると、他の子が面倒をみようと声をかける可能性があるからです。
他の子のところに転居させると、他の子が、自分に有利なように遺言書を書き直させる可能性があります。
有利な遺言書を書いてやったとたんに冷たくなったとして恨みをもっているでしょうから、遺言書の書き直しに応じる可能性が高いです。
有利な遺言書を書いてやったとたんに冷たくなったとして恨みをもっているでしょうから、遺言書の書き直しに応じる可能性が高いです。
日付の後の遺言書が有効で、前の遺言書は無効になりますから(厳密にいえば、後の遺言書と内容が抵触しない部分は有効です)、そんなことをされたらたまったものではありません。
ですから、老親が、認知症などが重篤になって遺言ができなくなるまでは、老親は通常安心して暮らせます。
逆に、親老親が、認知症などが重篤になって遺言ができなくなるまでに、老親を自分のところに連れてこようとする子もいるわけです。
逆に、親老親が、認知症などが重篤になって遺言ができなくなるまでに、老親を自分のところに連れてこようとする子もいるわけです。
弁護士は、老親の「とりあい」をするのを結構見ます。
「とりあい」の途中にみることもありますし、「とりあい」の結果、老親が死亡して相続が開始されてからみることもあります。
弁護士は、どちらの立場の代理人にもなりますから、どうとは言えないのですが、老親の「とりあい」は見ていて、あまり気持ちのいいものではありません。
ただ、少なくとも、認知症などが重篤になって遺言ができなくなるまでは、子はちゃんと看てくれます。
また、認知症などが重篤になって遺言ができなくなれば、いずれ介護施設に入所するか病院に入院するかしなければならなくなる場合が多いので、財産はあった方が幸せです。
財産もなくて、子もすべて冷たいという場合が、やはり一番悲惨です。