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2015年~2017年バックナンバー

死後離婚

 「死後離婚」という言葉があります。
 
 
 一般的ですが、法律用語ではありません。
 

 民法728条には以下のとおり定められています。
「1項 姻族関係は、離婚によって終了する。
2項 夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、前項と同様とする」

 戸籍法96条に基づき「姻族関係終了届」を提出するだけです。

 「姻族関係終了届」を役所に提出すれば、配偶者の死後に配偶者の家族と絶縁することができます。

 義理の父母の面倒をみたりする必要はなくなります。といいますか、義理の夫婦と同居さえしていなければ、何もする必要もありません。
 
 姓は旧姓にもどしてもいいですし、そのまま使い続けることも可能です。
 
 配偶者の財産についての遺産の相続権は失いません。
 
 姻族関係終了届を出しても、手続きさえれば、遺族年金はもらえます。
 
 なお、墓ですが、届けを出しても出さなくても、死んだ配偶者の墓に入らなければならないということはありませんし、死んだ配偶者の先祖の墓に入る必要もありません。子に行っておくだけで十分です。遺言で書でも構いません。
 
 ただ「姻族関係終了届」を提出しておけば、うるさくいわれることもありません。

  法務省の統計によりますと、「姻族関係終了届」の件数は平成22年の1911件から平成27年に2783件に増えたそうです。
 
 案外、少ないですね。
 知られていないせいでしょうか。
配偶者に対して、不平不満をもたれないように生活するということが最も賢明ですね。
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