2015年~2017年バックナンバー
平成30年の税金改革案
政府・与党は、平成30年度税制改正の所得税の控除の見直しについて、高所得者の基礎控除(一律38万円)の控除額を減額し、年収2500万~3000万円より高収入の人はゼロとする方向で検討に入りました。
基礎控除は、最低限の生活保障を目的に昭和22年に創設され、一貫して引き上げられてきましたが、実現すれば初の減額となります。
納税者全員に適用されてきました。
政府・与党は、平成30年度税制改正の所得税の控除の見直しについて、給与所得控除の縮小は、年収水準を800万を超えた場合には、200万円を限度とするという案が検討されています。
給与所得控除は、会社員の収入の一部を必要経費とみなして差し引く仕組みで、年収が増えるほど控除額は大きく、高所得層の控除は段階的に縮小してきており、平成29年から年収が1000万円を超すと控除額が220万円で頭打ちとなっています。
これを、年収800万円超で200万円で頭打ちとといったように、さらに厳しくすることを検討します。
政府・与党は、会社給与や不動産収入など年金以外の収入が多い高齢者について増税する方向で調整に入りました。
年金以外に年1000万円超の収入がある場合、年金収入から一定額を課税対象から差し引く「公的年金等控除」を縮小する案を軸に検討を進めます。
年金受給者は、年金の課税は恵まれています。
65歳以上で120万円未満の場合には、公的年金等控除と基礎控除を含めると所得金額は0円となります。
120万円をこえても、公的年金等控除はなされますが、公的年金等控除額を減少しようという案です。
もちろん、年金を減らすという案ではありません。勘違いはしないでください。
所得税は、所得税の納付額を決める上で、収入や算出後の税額などから一定額を差し引いて税負担を軽くする仕組みです。
家族構成や個人的な事情により異なる税負担能力を反映させる狙いがあります。
全ての人に適用する基礎控除や家族構成に応じた控除、所得の種類に応じた控除などがあり、所得から一定額を差し引いて課税所得を減らすのが「所得控除」と呼ばれます。
確かに、高額所得者に、基礎控除というのは違和感があるかも知れません。
給与所得者の給与所得控除も、大盤振る舞いでした。
公的年金等控除は、他の所得にかかわらず、同じ控除額というのも不公平です。
ただ、所得税は、累進課税です。
ただいでさえ、累進課税のため多額の所得税を納付している人の、いわば、ささやかな「抜け穴」をつぶしにかかるというのが正しいかどうかは議論のあるところです。
累進課税がなければ、いつまで、こんな「抜け穴」を残しておいたのかということになるでしょうが。
また、高額所得者といっても、超高額所得者は海外居住をしてまでも節税をはかりますから、それとの対比でも、問題は残ります。
まあ、少数ですから、反対の声は大きくはならないでしょうが・・・