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朝鮮半島緊迫で欧州の強国3カ国が平昌オリンピック出場辞退か
ウインタースポーツ強国のフランス、オーストリア、ドイツが、2018年2月開催の平昌オリンピック辞退の可能性を示唆しました。
理由は、核実験・弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮によって国際的な緊張感が高まる中、危険を冒してまでの参加を躊躇するのは国民を守るための判断です。
IOCの理事には選手の身を案じて大会をボイコットする国が出てくる可能性を懸念する声が出ていたのですが、これが現実化しつつあります。
海外メディアによると、フランスのローラ・フレセル・スポーツ相が平成29年9月21日、北朝鮮の「状況が悪化し、安全が確保できなければ、フランス選手団はここにとどまる。選手団を危険にさらすことはない」と明言しました。
平成29年9月22日日、オーストリアオリンピック委員会のカール・シュトース会長が「状況が悪化し、自国選手団の安全が保障されなくなった場合、われわれは韓国には行かない」と追随しました。
ドイツは治安当局が「適切な時期」に検討するとしていますが、可否の予断は許しません。
オーストリアは、これまで冬季オリンピックのアルペンスキーで金34、銀39、銅41の計114個と世界最多のメダルを獲得するなど、ウインタースポーツの強国です。ソチオリンピックでは金4、銀8、銅5でした。
ドイツは、ソチオリンピックで金8、銀6、銅5を獲得し、フランスは金4、銀4、銅7をソチオリンピックで獲得しています。
この3カ国で金16、銀18、銅17と相当数に上ります。
それだけに不参加にされた場合の痛手は深くなりそうです。
核ミサイルによる北朝鮮のリスクがオリンピック開幕頃まで続いていれば、ヨーロッパ3カ国の辞退示唆が他国に波及する可能性もあります。
平昌オリンピックの成功が、政権浮揚にとっての材料と考えているのかも知れませんが、オリンピック会場の韓国の平昌は、北朝鮮との国境から80キロ程度しか離れていません。
JR大阪駅と姫路駅との距離が88キロメートル、新快速で1時間ということを考えれば、いかに近いかわかります。
IOCのバッハ会長は「プランBはない」として開催地変更の考えがないことを強調していますが、オリンピック本番まで5か月しかありません。
日本も、危険なことを考えて、不参加を考える時期に来ていると思います。