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2015年~2017年バックナンバー

安倍首相のインド訪問

 安倍首相は、平成29年9月13日午後、政府専用機でインド西部にあるグジャラート州アーメダバードに到着しました。
 
 安倍首相、空港でモディ首相の出迎えを受け、両首脳は固い抱擁と握手で親密ぶりをアピールしました。
 
 安倍首相はこの後、インド独立の父、マハトマ・ガンジーが住んだサバルマティ・アシュラムなどを見学し、車で移動する約8キロの沿道では、インド各地の舞踊などが披露され、インド政府は日本の首相への手厚い歓迎を演出しました。
 
 また、両首脳は、平成29年9月14日にインド初の高速鉄道の起工式にのぞみました。
 
 安倍首相はスピーチで「日本の高い技術とインドの優れた人材が協力すれば、インドは世界の工場となる。インド中をめぐる新幹線のため、全てのインド人のために日本の官民が汗をかく」と述べました。
 
 インド経済の中心ムンバイ(旧・ボンベイ)とアーメダバードを結ぶ全長508キロメートルの高速鉄道の工事が日本の技術と資本で始まります。
 
 インドは、平成27年に安倍首相がインドを訪れた際、中国の高速鉄道ではなく、日本の新幹線を選択ました。インドが構想中の別の路線でも新幹線方式の採用を促すことにしています。
 
 インドメディアは「ついにインドに高速鉄道がやって来る」「新幹線は世界で最も安全な高速鉄道だ」などと大々的に報じています。
 
 インドの高速鉄道はインド独立75周年となる2022年に開通予定です。
 
 安倍首相は今回の訪問で、総事業費1兆8000億円のうち、約80%の円借款を提供すると伝えました。
 
  インドでは1日あたりの鉄道利用者数が約2200万人に上ります。
 一方、平成24年に政府が発表した報告書によりますと、年間1万5000人が鉄道事故で死亡しています。
高速鉄道だけでなく、一般の鉄道技術の輸出も考えられるべきでしょう。
 
 モディ首相は、平成26年の就任以降、中国の拡張に対抗し、積極的な東方政策を取ってきました。
 その重要パートナーが日本です。
 インドと国境を接しない国の中でモディ首相が最初に訪問したのも日本でした。
 
 日本も人口12億人の巨大市場インドを必要としています。
 
 日本は、中国から沖縄県の尖閣諸島で難癖をつけられていて、インドも南シナ海からインド洋、アフリカにつながる制海権を掌握しようとする中国の「真珠の首飾り」戦略に脅威を感じています。
 
 両国は中国けん制のための協力を望んでいます。
日本とインドは、中国に対抗し、軍事協力も強化しています。
 
 平成24年には毎年恒例の海上演習を開始し、平成29年7月には日本、アメリカ、インドの3か国が過去最大規模の合同演習を実施しています。
 
 平成29年9月5日、東京で開かれた日本とインド両国の国防・財務相会合では、合同軍事演習の範囲を海軍だけでなく、陸軍、空軍にも拡大することで合意しています。
日本の海上自衛隊の水陸両用救難飛行艇US2をインドに供与する計画も話し合われています。
 
 日本とインド両国の両国は、中国の習近平主席が提唱する陸と海のシルクロード「一帯一路」構想に対抗し、アジアとアフリカの開発途上国を結ぶ「アジア・アフリカ成長回廊」プロジェクトを旗揚げしています。
 
 平成28年7月、国際仲裁裁判所が、南シナ海で一方的に領有権を主張する中国が敗訴する判決を下した際にも、両国は「国際規範に従った航行の自由を支持する」と一致して表明しています。
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