2015年~2017年バックナンバー
遺伝の法則の優性と劣性
日本遺伝学会は、遺伝の「優性」「劣性」という言葉が、誤解や偏見につながりかねないとして、「優性」「劣性」という言葉を使用するのを止めることにしたと平成29年9月6日報じられました。
遺伝の先駆者はグレゴール・ヨハン・メンデル(Gregor Johann Mendel)です。オーストリア人で、オーストラリアの記念切手にも描かれています。
もともと科学者ではなく、修道僧です。
メンデルの遺伝の3法則により、エンドウ豆の花の赤と白を交配すると、二世代目に赤のエンドウ豆の花だけができ、三世代目にエンドウ豆の花は赤が3、白が1の割合でできるということが説明できると教科書に出ていたかと思います。
赤が優性遺伝子で、白が劣性遺伝子ということになります。
一世代目に赤がAA、白がaaなら、二世代目はすべてAa、三世代目にはAA、Aa、Aa、aa、二世代目は、すべてAaですから、優性遺伝子の赤のみがあらわれ(Aa)、三世代目には、AA(赤)、Aa(赤)、Aa(赤)、Aa(白)となります。
赤が優れていて、白が劣っているわけではありません。
「優性」は「顕性」「劣性」は「潜性」と言い換えるそうです。
なお、人は、重い病気を引き起こす劣性遺伝子を多数持っているが、劣性遺伝子なので発病しないとされています。
近親結婚が怖いのは、同じ劣性遺伝子が2つそろうと、発病するということですね。
赤の他人どおしなら、重い病気を引き起こす劣性遺伝子は全く別物である確率が高いということです。
いとこ同士の結婚を認めている日本は、近親結婚を認めてる寛容な国です。
重い病気を引き起こす劣性遺伝子を多数持っていても、劣性遺伝子なので発病しませんが、重い病気を引き起こす劣性遺伝子が2つそろえば、その人は子孫を残せないまま死亡するという理屈です。
また、重い病気を引き起こす遺伝子が優性遺伝子なら、子孫は残りません。
あわせ、「色盲」「色弱」「色覚異常」は「色覚多様性」という言葉に言い換えるそうです。
「色弱」が男性に多いのは、色弱の遺伝子が劣性遺伝子で、性染色体と同じ染色体にのっているからです。
性染色体は、XXが女性、XYが男性です。
色弱の遺伝子は、Xにのっています。X’とします。
女性はXX’では色弱にならず、X’X’で色弱になります。
男性は、XYでは色弱になりませんが、X’Yなら色弱になってしまいます。
私が大学時代、同級生に、色弱の人が多かった印象があります。私のクラスだけかも知れませんが、わかっているだけで3人いました。日本人男性の色弱の割合が5%、20人に1人ですから、かなり高いですね。
色弱は、理科系には不向きで、理科系に進みたくとも色弱だから理系ではなく、文系である法学部にしたという人もいました。
大学時代、できるだけ話題となるのを避けていた記憶があります。