本文へ移動

2015年~2017年バックナンバー

元在韓米軍司令官ら「北攻撃に韓国の同意は不要」

 平成29年8月23日、元在韓米軍司令官をはじめとする米国の朝鮮半島軍事専門家らが「在韓米軍以外の軍事資産を用いて米国が北朝鮮を攻撃する際、韓国の同意は必要ない」との立場を明らかにしていることがわかりました。
米国のラジオ放送「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」が23日、報じています。
 
 ムン・ジェイン大統領は、平成29年8月15日の「光復節」式典のあいさつで「韓半島(註。朝鮮半島のことです)での軍事行動について決定することができるのは韓国だけであり、誰も韓国の同意なしに軍事行動を決めることはできないと述べています。

 2006年から2008年にかけて在韓米軍司令官を務めたバーウェル・ベル氏は「北朝鮮が米国本土を攻撃すると威嚇していることに対し、(アメリカが)軍事的対応に出る場合、在韓米軍の運用には米韓双方の承認が必要だが、仮に(韓国が)拒否した場合、米国は国際法に従い、韓国に駐屯していない軍事資産によって北朝鮮を攻撃することができ、これには韓国の承認・協力を必要としない」との考えを示しました。
 
 ベル元司令官は、アメリカ国本土とハワイ、アラスカ、グアム、北朝鮮周辺の黄海上にある米軍の資産などに言及し「日本やオーストラリアなど米国のほかの同盟国も韓国の承認を得ずに作戦に参加することができる」と述べています。
 
 2011年から2013年まで在韓米軍司令官を務めたジェームズ・サーマン氏も「北朝鮮が延坪島を砲撃した場合に韓国が反撃し、自らを守る権利を持つのと同様に、われわれも自分自身を守る権利を持っている」として「誰からも承認を得る必要がない」と主張しました。
 
 在韓米軍特殊戦司令部出身でジョージタウン大学戦略安全保障研究センターのデービッド・マクスウェル副所長は「アメリカ憲法には、自国の防衛に必要な措置を取る際、同盟の承認を得なければならないという条項はない」として「北朝鮮が米国の領土を攻撃するとみられる場合、国家と国民を防衛する必要があると判断されれば、米国は韓国が反対したとしても行動するだろう」と述べました。
 
 米国ランド研究所のブルース・ベネット上級研究員も「米国は軍事行動について韓国と協議するだろうが、韓国の完全な同意を得るための十分な時間があるのか疑わしい」と述べています。

 当たり前の話ですね。
 
 韓国に攻撃の可否を相談していたら、ほぼ同時に、北朝鮮に筒抜けになるでしょう。
 よくて、直前に、韓国に戦闘開始を通告するという程度でしょう。
 
 なお、日本の立場は、朝鮮有事における在日米軍の出撃については、日本の同意が必要との一貫した立場です。
 
 この場合、日本には韓国よりずっと前に申入れはあるでしょうが、日本が「NO」という選択肢はなさそうです。
TOPへ戻る