2015年~2017年バックナンバー
電車のラッシュ
痴漢の犯人、あるいは、痴漢の容疑をかけられた男性が、駅で降車し、ホームから線路に飛降りるという事件が相次いでいます。
鉄道営業法37条において「停車場其ノ他鉄道地内ニ妄ニ立入リタル者ハ十円以下ノ科料ニ処ス」と規定されているからです。これに違反すると科料(1万円以下)という刑罰まで受けることになります(鉄道営業法37条、罰金等臨時措置法2条1項)。
タレントの松本伊代さんと早見優さんが陳謝したのも、鉄道営業法37条違反だからです。
松本伊代さんと早見優さんの場合、電車は来ないのですから危険はないでしょう。
ラッシュ時の線路飛降りは、鉄道営業法違反だけではありません。
刑法125条「鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、2年以上の有期懲役に処する」という往来危険罪が成立します。
「2年以上の有期懲役」は、きわめて厳しい刑です。
「2年以上の有期懲役」は、きわめて厳しい刑です。
自分自身危険ですし、また、電車の運行を遅らせ、何万人に影響が出たということで、数百万円の損害賠償を受けかねません。
ただ、ホームから線路に飛降りるというのは、首都圏だけですね。
首都圏には痴漢が多いのでしょうか。
京阪神でもホームから線路に飛降りるありそうですが聞きません。
京阪神の電車の編成は、結構、多数編成ですし、混雑もすごいです。
JR西日本の新快速は12両編成、大阪市営地下鉄御堂筋線が10両編成です。
阪急電鉄神戸線のラッシュ時の特急と通勤特急は10両編成ですが、他は8両編成です。
関西では市営地下鉄御堂筋線梅田・淀屋橋間の150%を、阪急神戸線神崎川・十三の146%、阪急宝塚線三国・十三の145%と続きます。
混雑度200%は「体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める」というレベル、電車がゆれるたびに体が斜めになって身動きができず、手も動かせないというレベルが250%ですが、御堂筋線や阪急神戸線のラッシュ時でも、半分に折りたたんだ新聞くらいは読めます。
東京は、軒並み200%の混雑がざらだそうです。
ちなみに、私は、大学時代、1年2年のときは目黒区駒場、3年4年の時は文京区本郷に下宿していていましたが、首都圏の列車は「人を乗せるものではなく、家畜を乗せるものだ」と思ったからです。
修習生のとき、司法研修所は文京区湯島にあり、大学の正門から龍岡門まで大学構内を抜ければよく、霞ヶ関の東京地方裁判所と東京地方検察庁、銀座にあった修習先の法律事務所までは丸ノ内線です。
ただ、ありがたいのが、朝9時30分までに着けばいいという条件ですから、さほどラッシュはありませんでした。
いずれにせよ、首都圏の列車の乗客が殺気立っていたり、小競り合いがあったりするのは印象的でした。
京阪神に比べると通勤区間も長いですし、そのうえラッシュとくれば、たまったものではありません。
私自身、痴漢だと叫んでいる女性をみたことがありませんし、駅長室に連行される男性もみたことがありません。
関西の電車で、痴漢の「えん罪」はおこりにくいでしょうね。