2015年~2017年バックナンバー
折返し乗車
最寄りのX駅から上り列車に乗って目的地Y駅に向かう場合、いったん下り列車に乗ってZ駅に行き、上り列車に着席してY駅に向かうことを「折返し乗車」と呼ばれています。
最寄りのX駅から乗ると混雑して座れないけれど、逆方向のZ駅から乗れば座れるという仕組みです。
この場合、折返し乗車をする人が、Z~Y間の往復に有効なきっぷを持っていれば問題ありません。実際にZ~Y間の定期券を購入している人もいます。しかし、X~Y間のきっぷや定期券しか持たない場合は、X~Z間は無賃乗車となります。
改札口を出なければ良いと勘違いする人も多いようです。
しかし、きっぷに指定された経路以外の区間を乗車する行為は禁止です。
改札口を出れば無賃乗車であることは誰でもわかるでしょうが、改札口を出なくても経路外乗車となり、キセル乗車となります。
不正乗車による折返し行為は、通勤で混雑する路線では少なからず起きているようです。
路線の始発駅に行けば、まず、確実に座れます。
電鉄会社にとって取締まりは難しいようです。
悪質な常習者を発見した場合にしばらく追跡するなどして実態を確認し、個別に対応しているようです。
間違いなく防犯カメラに写っています。
上り列車と下り列車が同じホームで発着する「島式」構造の場合は、不正乗車をしやすい構造といえます。
線路の両側にホームを置く「対向式」構造なら防ぎやすいと言えます。面倒ですね。
ただ、終着駅=始発駅は、まず「島式」です。
ただし、無賃乗車で折り返しても不正にならない場合もあります。
「行き先を間違えた場合」や「うっかり乗り越してしまった場合」です。
各駅停車に乗るつもりが急行だった、考え事をしていた、スマホに気をとられていた、居眠りしてしまったなど理由はいろいろですが、過失による場合は救済制度として、本来の目的地の駅まで戻れます。
「無賃送還」という制度です。
阪急神戸線の特急停止駅は「梅田」「十三」「西宮北口」「夙川」「岡本」「三宮」ですが、なぜ、「岡本」が特急停止駅になっているのか不思議です。
「梅田」は始発駅、「十三」は京都線と宝塚線、「西宮北口」は宝塚線、「夙川」は甲陽線との乗換駅、「三宮」は実質的には終着駅、「岡本」は特急停車の何の理由もありません。
一説には、その昔、岡本駅に阪急電車のえらいさんの自宅があったからだとか・・
ただ、うっかり乗越した場合はありがたいですね。
梅田駅から特急列車に乗って、夙川駅をうっかり乗越した場合、岡本駅がなければ、三宮まで連れていかれます。
岡本駅でおりれば、夙川駅で甲陽園駅行きの電車に10分遅れで乗れます(通常時間帯)。
ダイヤをみると、三宮駅まで連れて行かれれば、夙川駅で甲陽園駅行きの電車に30分遅れになってしまいます(通常時間帯)。
年3、4回乗越すことがあります。
人間ですからね。