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2015年~2017年バックナンバー

各士業のなし得る仕事

 弁護士法72条には「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない」と定められています。

 

 いわゆる「事件屋」だけではありません。

 

隣接士業・非弁活動・非弁提携対策(業際・非弁・非弁提携問題等対策本部)」をご覧ください。

 

 司法書士、行政書士、社会保険労務士といった資格を有している人も、法律事務のうち、一部を行うことはできますが、弁護士のように法律事務全般について行えるものではありません。

 

 このような隣接業種の人が職務を行える範囲は、それぞれの法律の中で規定されていますが、法律の規定が必ずしも明確ではないこともあって、本来、隣接業種の人が取り扱えない職務を行っている事例が見受けられます。

 

 中には、職務範囲ではないことを知りながら職務範囲外の職務を行っている例もあります。しかし、これではこのようなサービスを受けた人の権利や利益が充分に守られないことになります。そこで、隣接業種の人がどの職務までを行うことができるのかを明確にする必要があるのです。

 

 上の表が、わかりやすいですね。

  モバイルでは読みづらいです。

 

交通事故(加害者側との示談交渉・裁判手続の代理)
弁護士 〇 司法書士Δ(請求額140万円まで)行政書士 ×

相続(他の相続人等との遺産分割交渉・裁判手続の代理
弁護士 〇 司法書士× 行政書士 ×
離婚(相手配偶者との離婚条件交渉)・裁判手続の代理
弁護士 〇 司法書士× 行政書士 ×
共通(各種強制執行手続きの代理)
弁護士 〇 司法書士Δ(請求額140万円まで)行政書士 ×

 となっています。出典は日本弁護士連合会です。

 

 弁護士が「お高くとまる」「高くつく」という印象がありますが、今は、弁護士が「あふれかえっている」状態ですから、本来仕事を行う権限がない司法書士、行政書士、社会保険労務士に依頼する必要はないかと思います。

 

 裁判所で代理人となれない士業の人は、「実戦経験」=「裁判所での代理人としての活動」をしていません。

 

 裁判所が相手にしてくれませんし、処罰してくださいといわんばかりだからです。

 

 実戦経験のある弁護士を選びますか、それとも、実戦経験のない他士業を選びますか。

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