2015年~2017年バックナンバー
ラッパ
しかし、改正商標法では、「商標」が下記のように定義され、図形等と組み合わされたものではなく、色彩のみからなる商標と音の商標が追加されました。
平成27年4月1日から実施されています。
(2条)
「 この法律で「商標」とは、人の知覚によって認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの(以下「標章」という)であって、次に掲げるものをいう」
これは、アメリカやEUと歩調を合わせたものです。
大幸薬品が、テレビCMなどでラッパが鳴らす10秒ほどのメロディーの商標登録をめざすという報道がありました。
このメロディーを使い始めたのは、1951年のラジオCMから。正露丸のパッケージにつけたラッパのマークとともに広く知られています。登録されれば、他社が勝手にまねできなくなります。
「正露丸」は「大幸薬品」だけのものではありません。
「正露丸」の名称は、大幸薬品の登録商標ですがが、普通名称化したとの判決が、昭和49年と平成20年の2度にわたり最高裁で確定しています。
つまり、どの会社が「正露丸」を商品名として使用しても本商標権の効力は及ばず、権利侵害にはあたりません。
「ラッパのマークの正露丸」(大幸薬品の製造・販売)でない「正露丸」も多数存在します。
和泉薬品工業、富士薬品、常盤薬品、キョクトウなどですが、大阪のドラッグストアで出回っている正露丸は、和泉薬品工業のものが多いですね。
半分以下の値段で買えます。
効能にかわりはありませんが、そう「しょっちゅう」買うものではないので、「ラッパのマークの正露丸」(大幸薬品の製造・販売)を購入するのが普通です。
私は、和泉薬品工業の正露丸を購入しています。
大幸薬品が、テレビCMなどでラッパが鳴らす10秒ほどのメロディーは、皆さんもよく聞いているのではないでしょうか。
もともと「ラッパ」は、金管楽器で、とくにバルブなど音程調節装置がない単純な構造のものをさすとされています。
トランペットやホルンのように、バルブで音階を出すものではなく、唇の振動だけで音の高低を調節するので「ド」「ミ」「ソ」「ド」の音しか基本的には出せません。
大幸薬品が、テレビCMなどでラッパが鳴らす10秒ほどのメロディーは、「ド」「ミ」「ソ」「ド」のみで構成されています。
第二次世界大戦前の陸軍でのラッパは、以下のものがありました。
「ド」「ミ」「ソ」「ド」のみで構成されていで、トランペットのバルブに触らなくても吹けます。
起床「起きろよ起きろ 皆起きろ 起きないと班長さんに叱られる」
消灯「新兵さんは辛いんだね また寝て泣くのかよ」
突撃「出て来る敵は 皆々倒せ」「出て来る敵は 皆々倒せ」
食事「一中隊と二中隊はまだ飯食わぬ 三中隊はもう食って食器上げた」
メロディーが出てくる人もいるでしょう。私は、メロディーがわかります。
わからない人でも、メロディーを聞くと、聞き覚えがあると思います。
私は、昭和30年生まれですから、当然、陸軍は存在しません。
ただ「同期の桜」くらいは、皆さん知っているのではないでしょうか。
大幸薬品が、テレビCMなどでラッパが鳴らす10秒ほどのメロディーは、「食事」つまり「一中隊と二中隊はまだ飯食わぬ 三中隊はもう食って食器上げた」のメロディーです(厳密に言えば、少し異なります)。
さあ、旧陸軍のラッパのメロディーを少し改変したメロディーは商標登録されるのでしょうか。