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2015年~2017年バックナンバー

中国人旅行客

産経新聞に、おもしろい記事が掲載されていました。

「産経新聞「もう餃子焼けてんねんけど」注文変更に振り回される店、温泉施設は「入れ墨」「水着」...四苦八苦」

-----引用開始----

 今年(註。平成27年)2月中・下旬の中華圏の旧正月「春節」では、中国や台湾などからの観光客が国内に殺到。
 関西の玄関口・関西国際空港の地元でも春節騒動に混乱した。
 ネット上で評価の高い小さな中華料理店に中国人観光客らが大挙して押し寄せて占拠したり、温泉では「水着で入りたい」などの無理難題や入れ墨のある客の扱いに苦慮する一幕も。関空発着の中国便は今夏さらに増える見通しで、2020年の東京五輪に向け、今後も混乱が加速するのは必至。
 専門家は早急な対策を呼びかける。

中国語の注文に困惑

 「何言うてんのか、さっぱりわからん」関空の対岸・泉佐野市にある中華店。2月下旬、大挙して押しかけた大勢の中国人観光客を前に、アルバイト店員が頭を抱えた。
 中国・湖北省武漢市からのツアー客で、店にある30ほどの席をほぼ占領。
 次々と中国語で注文を繰り出した。
 「この店はエビチャーハンが名物だそうだ」
 「じゃあ、焼き餃子3人前はキャンセルして、エビチャーハンに変えてもらおう」...
店員を呼び戻しては、身振り手振りで注文の変更を繰り返す。
調理の手を止めて厨房から出てきた店主の男性は、なんとか注文を理解したうえで
 「しかし、もう餃子が焼き上がっているんですが...」と困惑した表情を浮かべた。

 この店に殺到する、こうした観光客の多くは、近くのビジネスホテルに宿泊。
 インターネット情報や口コミ情報などを頼りに最近、客足が急速に伸びている。
通訳が同行しない場合も多く、店では日本語メニューの指さし注文を取っているが、中国語の注文が店内を飛びかう雰囲気に地元の常連客が敬遠して帰ってしまうこともある。
 中国の感覚で、店外で買った飲み物を店内に持ちこむ客も多く、店主の男性は「日本ではダメだと説明したり、他の客に配慮して会話の音量を下げてもらったりするのに苦心する」と打ち明ける。

温泉施設でも対応に苦心

 これまで日本の温泉になじみのなかった中国人観光客らの間でも、日本情緒が味わえる温泉旅館は次第に人気が広がっている。

 泉佐野市の犬鳴山温泉にある、入浴だけの利用も可能な旅館。ここでは春節などでの訪日外国人客増化をにらみ、「閑散期の主要なゲストとして大歓迎」と、英語のできる男女スタッフ3人を増員して対応した。
 日本の温泉に不慣れな中国人観光客らのため、大浴場のマナーを解説したポスターも張り出した。
 しかし、中には体に入れ墨を入れた客もおり、また習慣の違いから「水着(下着)を着けたまま入りたい」との注文も。

 旅館の担当者は、こうした客には貸し切り風呂や露天風呂付きの部屋を勧めており、「なるべくお客さんの気分を害さないように、納得してもらうのに苦心します」という。

関空直結の西成まで
 こうした騒動は、関空から南海電鉄の特急ラピートで直結している大阪・西成の「あいりん地区」にも飛び火していた。
 かつては日雇い労務者の街が、いまでは1泊千円台という低価格が中国人観光客らの人気を集め、インターネットを通じて海外にも広く「人気の宿泊エリア」として紹介されている。
 当然、春節にあわせて中国人観光客らが殺到した。地区で簡易宿泊所5軒を経営する男性社長(38)は「受け入れの容量はもはや限界」と悲鳴をあげる。
 団体客として押し寄せる中国人観光客らも多く、中国語の話せるスタッフのいない宿泊所では、英語での対応に追われた。
 男性社長は「次に殺到する時期は花見。やはりほぼ満室状態になると予想される」と混乱を警戒する。

今後も増える中国便
 新関西国際空港会社によると、関空の今年度の国際線の外国人旅行客数は推計690万人。
 前年度比40%増と急増しており、特に中国便などの伸びが著しい。
 3月24日に発表された関空の夏期ダイヤ(3月29日~10月24日)でも、中国の格安航空会社(LCC)・春秋航空が新たに4路線を就航させるのをはじめ、厦門(アモイ)航空が6年ぶりに厦門線を復活させる。
 こうした増便で関空は中国の28都市と結ばれ、国内空港では最多となる。
 2020年の東京五輪に向け、中国や台湾、アジア便の増便は続く見通しで、今後も日本を訪れる中国人観光客らが増えるのは確実だ。

 観光行政に詳しい泉佐野市特別顧問の中尾清氏(70)は「国や地方自治体は外国人観光客の誘致に乗り出しているが、実際におもてなしをする最前線へのサポートまでは対応が追いついていないのが実情」と指摘。
 今後も中国人客などの増加に伴う混乱は予想されるため「観光情報発信拠点などで中国語スタッフを増員している行政が、困っている町の店舗のメニューを中国語に訳すサポートを行うことなども可能だと思う。受け入れ体制の整備が急務だ」と警鐘を鳴らしている。

-----引用ここまで----

 餃子ができあがっているのに、チャーハンに変更してくれというのは「いい度胸」ですね。
 また、飲食店は、利幅の小さい「食べ物」ではなく、利幅の大きい「飲み物」で採算をとっていることもわかっていないようです。
 他の客に配慮して「会話の音量を下げて」という表現がおもしろいですね。普通なら「大きな声で話すな」ですね。

 体に入れ墨を入れた客というのは西洋人でも同じ問題があります。
 中国人が裸で温泉に入る習慣がないのは、そのとおりですが、「水着を着けたまま」はともかく「下着を着けたまま」というのは「?」ですね。
 風呂の場合はやっかいで「准备中」(「準備中」中国の簡略文字)という札をかかげておいて、あわせて「おはいりになれます」という「工夫」もするようです。もちろん、中国人のツアーコンダクターは「チップを渡して」「買収」しておきます。

 西成の簡易宿泊所は、昔から、ヨーロッパのバックパッカー御用達の宿です。
 ヨーロッパに本部のある旅行サイトで「値段が低い順」でソートすればいくらでも出ます。
 中国人もか、という感じですね。
 ただ、一般に、個人旅行をしている中国人のマナーは、団体客に比べて「まし」です。

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