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2015年~2017年バックナンバー

関西への観光客

平成27年4月7日、和歌山県が発表した平成26年の県内の外国人宿泊者は過去最高の30万3574人となったと発表しました。
 平成25年に初めて20万人を超えたましたが、さらに10万人近い上積みです。

 平成26年の国・地域別での宿泊者数では、中国の観光客が前年比3.8倍の3万7373人となっています。
 ヨーロッパ、米国、オーストラリアでは、高野山の人気が高く、全体の68%が高野町に宿泊しています。

 白浜町の人気も高く、平成26年は8月に相次いで台風が接近するなど苦戦したものの、外国人に限れば7万7955人と33%増し、そのほぼ半分が香港からだそうです。
 温泉や三段壁、千畳敷、円月島などの景勝地もありますし、アドベンチャーワールドなどの行楽地もあります。魚なども新鮮なものが食べられます。
 最近はリピーターの個人客も増え、「関空から行きやすい温泉地として、白浜を選ぶ外国人も多い」とされています。 
 間違いなく中国系の旅行者は白浜に「うようよ」います。

 白浜や高野山だけではなく、日本人旅行者が余り宿泊しない和歌山市に外国人宿泊客が増えているそうです。

 中国人ツアーでは、大阪→京都→東京、あるいは、東京→京都→大阪と回るコースが、「ゴールデンルート」と呼ばれています。
 「ゴールデンルート」の初日や最終日は、関空近辺ということになるのですが、関空に最も近く、手軽に観光でき、ある程度の規模の都市で、宿泊施設の整っている市となると、和歌山市(一時40万人を超えていましたが、今38万人に減っています)になります。和歌山市のホテルなら、英語の話せる従業員はいます。

 和歌山城、紀三井寺、和歌浦などを気軽に散策できる点が好評だそうです。和歌山電鐵で、タマ駅長を見に行く団体客もいます。

 宿泊となれば、ホテル代、飲食代など地元への経済効果は大きいですね。
 和歌山市は、国内旅行者からは完全な通過地点ですが、外国人客にとっては、通過地点ではなく、主たる目的は宿泊です。


 近畿地方で言えば、滋賀県によりますと、観光庁の統計をもとに分析した平成26年の外国人の延べ宿泊者数は約23万3500人と前年比77%増え、伸び率では山梨県に次いで全国で2位になったそうです。
 京都でホテルが確保できず、隣接する大津市などに流れていることが理由です。
 滋賀県は琵琶湖があるからと説明していますが「?」ですね。琵琶湖、比叡山、彦根城、日吉大社・・琵琶湖を除けば、観光地として一流ではありません。

 また、大阪市の外国人観光客急増は府南部にも影響が波及し始めているそうです。

 大阪市に宿泊しそこねた外国人旅行者が、堺市に宿泊しているようで、ホテルによっては、中国人の観光客が大半を占め、他に、神戸のホテルもそういう傾向が強いとされています。

 観光資源のない堺市と、観光の価値が十分ある神戸市と一緒にされたのでは、兵庫県に住む私としては、かなわない気がしますが、堺市や神戸市に宿泊する中国人団体旅行者のバスによる観光先が大阪市だったりするそうですから、そうなんでしょう。尼崎市、西宮市、芦屋市には余りホテルがありません。

 ちなみに、姫路は、姫路城くらいしか観光するところがなく、あまりに交通の便がいいため、宿泊せず「ついでに」観光する外国人旅行客がほとんどで、外国人宿泊客は伸びていないそうです。


 話を戻して、関空ができたとき、和歌山県民は「扇風機の裏側」にすぎないと言っていました。
 都市開発や交通網の整備の恩恵を受けるのは大阪だけ、和歌山は扇風機の裏側で何の意味もないということです。

 思わぬところで恩恵を受けるようになってきました。

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