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2015年~2017年バックナンバー

日本とドイツの謝罪と賠償

平成27年1月26日、第2次世界大戦中、ナチス・ドイツがユダヤ人を中心に、少なくとも110万人を虐殺したアウシュビッツ強制収容所が解放されてから70年となり、収容所の跡地で追悼の式典が開かれました。

 メルケル首相が「過ぎ去っても忘れ去ることはない」と謝罪の言葉を述べました。

 ドイツの主要な謝罪は、以下のとおりです。

昭和45年 ブラント首相(ポーランドにあるユダヤ人の慰霊塔で謝罪)
昭和60年 フォンバイツ大統領(ナチ犯罪を謝罪)
平成10年 コール首相(米国ホロコースト記念館で黙祷)
平成25年 メルケル首相(ナチ収容所追慕館謝罪)
平成27年 メルケル首相(アウシュビッツ解放70年のスピーチ)

 ちなみに、日本の謝罪は、以下のとおりです。

昭和57年 宮沢談話(日本の教科書で韓国に配慮しなかったことを謝罪)
昭和59年 昭和天皇陛下(不幸な過去を謝罪)
平成2年  昭和天皇陛下(不幸な過去を謝罪、「痛惜の念」)
平成3年  細川談話(植民地支配などの痛みを与えたことに謝罪)
平成3年  河野談話(慰安婦問題の謝罪)
平成7年  村山談話(植民地支配などの痛みを与えたことに謝罪)
平成10年 小渕談話(植民地支配などの痛みを与えたことに謝罪)
平成17年 小泉談話(植民地支配などの痛みを与えたことに謝罪)
平成22年 菅談話(植民地支配などの痛みを与えたことに謝罪)


 ドイツの謝罪と賠償の特徴をみてみましょう。

 見ればわかりますが、ユダヤ人集団虐殺への謝罪であり、戦争についての謝罪ではなく、植民地支配については全く謝罪していません。ドイツは、過去に、タンザニア、カメルーン、ナミビア、ケニアなど17カ国の植民地支配をしていましたが、謝罪は全くありません。
 もちろん、植民地支配について、1マルク、1ユーロたりとも補償をしていません。

 日本の謝罪と賠償の特徴をみてみましょう。

 主として、植民地支配全般に対する謝罪ですね。
 また、補償も「気前よく」しています。
 ドイツ流にいうと、韓国など植民地への補償などする必要はありません。といいますか、植民地に補償する方が珍しいのです。

 ドイツと日本の差の賠償・補償の差は、ドイツが東西に別れ、冷戦の最前線におかれて、賠償金を払う余裕がなかったこと、第一次世界大戦で、ドイツへの賠償金が多額だったため、第二次世界大戦が起きたことへの反省があったからです。

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