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雑記帳

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日本人が6人に1人しかパスポートを持たない理由

 日本人の海外渡航自由化は、昭和39年(1966年)4月1日のことです。
 観光に観光目的のパスポートの発行が開始され、1人年1回、海外持ち出し500ドルまでの制限付きで海外への観光旅行が可能となりました。
 昭和39年といえば、東京オリンピック開催の年でもあり、新幹線が営業運転を開始した年でもあります。

 世界各国のパスポートの自由度を測定するヘンリー&パートナーズの「パスポートインデックス」の令和6年版で、ビザなし入国ができる国の数が、前回3位に後退していた日本が首位になりました。
 しかし、令和4年の旅券統計によれば、日本人のパスポート保有率は約17.8%にすぎず、日本人の6人に1人しかパスポートを持っていない計算になります。
 これは先進国では最低水準と指摘されており、日本人の海外渡航への関心度の低さが浮き彫りになっています。
 ちなみに、「外に目が向かない」と揶揄されることの多いアメリカ人のパスポート保持率は、令和4年時点で、米国の人口の約5割に相当する1.5億人が保有しています。

 パスポートを持たないということは「海外に行く予定がない」「海外に行く意思がない」ということですが、日本人が海外に行こうとしない理由は何なのでしょうか。考えられる理由は何でしょうか。

 まず、日本人の英語力は決して高いとはいえません。
 言葉の壁や外国語への苦手意識が海外旅行をためらわせる理由のひとつなのではないでしょう。
 言葉が不安なら、ガイド付きのツアーに参加するという方法はありますが、外国語に苦手意識の強い人は、海外に行くこと自体に対する抵抗感が強いことが多いということがあります。

 日本は世界でもトップクラスの治安の良さを誇る国。それだけに「海外」=「危険」というイメージがあり、「海外旅行は危ない」と考えてしまっている人もいます。
 もっとも、日本と同等の安全性を有する国があります。
 ただ、治安がよくても、海外で病気や大けがをすると大変ということはあります。

 日本が島国であり、陸続きの隣国がありませんから、外国旅行は海外旅行を意味し、気軽に外国旅行を楽しむということは難しいでしょう。
 陸続きの国なら、外国旅行は、電車でも車やバスでも行けますが、日本の場合は、ほぼ飛行機を利用しなければなりません。船で行ける外国もないではないですが、ごく、限られていますし、飛行機のほうが、かえって手っ取り早いということにもなりかねません。
 飛行機ですから、運賃は高いですね。

 海外旅行をするうえで、金銭的な問題はなくても、時間的に難しいという人も少なくないはずです。
 せっかく海外旅行をするなら、近場のアジアで最低3日、ヨーロッパなら7日以上は欲しいところですが、まとまった休暇を気軽にとれる日本人は少数派です。
 また、長期休暇が取れたとしても、そのタイミングがゴールデンウィークや年末年始などというのが普通ですから、航空券の高騰で断念する人も多いと思われます。

 消極的な理由の他に、日本国内の観光資源が豊富であるということがあげられます。
 国内に見るべきものが少ないと感じれば、海外に出ていく人が増えるでしょうが、日本は国内にいくらでも観光スポットがあるので、「わざわざ海外に行く必要性を感じない」という人も多いといえるでしょう。

 ただ、海外には日本では決して体験できない異文化ならではの驚きや感動があります。
 若いうちに異文化を体験しておくことは、人としての幅を広げてくれると思います。
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