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雑記帳

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結束が揺らぐアメリカ・EUの援助遅延 ウクライナ敗戦の可能性

 ウクライナに対するアメリカと欧州連合(EU)の支援に支障が生じています。

 米連邦議会の上院は、令和5年12月6日、ウクライナへの軍事支援を含む大型支出法案を51対49で否決しました(可決には60票が必要です)。
 野党・共和党がウクライナ支援と引換えに求めていた、アメリカ境の警備強化をめぐって合意に至らなかったためです。
 1060億ドル(約15兆6000億円)の支出案には、ウクライナ支援のほか、イスラエルと台湾への軍事支援が含まれていました。
 それ以前にも、アメリカ下院は、ホワイトハウスが令和5年10月に提出したウクライナに対する614億ドル(約8兆7300億円)規模の軍事支援などが含まれた安保予算を共和党の反対で否決しています。

 令和5年12月14日のEU首脳会議では、ハンガリーの反対でウクライナに対する500億ユーロ(約7兆7500億円)相当の予算支援が拒否されました。

 ウクライナに対するアメリカと欧州同盟国の援助が中断すれば、ウクライナが持ちこたえられる時間は長くないという見方が多いといえます。

 CNNは、西側の追加支援がなければ、ウクライナはまず武器不足に直面すると伝えました。
 長射程ミサイル、地対空ミサイル、砲兵の弾薬、携帯用対戦車ミサイルのジャベリン、スティンガー対空ミサイルの順序で砲弾が枯渇するという見方です。

 BBCは、すでにウクライナが砲弾不足状況に追い込まれていると伝えました。
 南部戦線のウクライナ指揮官の1人はメディアに「反攻がピークだった時期はロシア軍と我々の砲兵の射撃比率が1:1で、我々が有利だった」とし「しかし今はロシアが4、5発撃つ時、我々は1発を撃つ状況」と伝えました。

 ウクライナ当局はEUが提供することを約束した100万発の砲弾のうち、実際に到達したものは3分の1にもならないと主張しています。
 CNNはアメリカとEUのどちらか一方の支援が中断すれば、ウクライナ領土の大半が今後2年以内にロシア占領下に入る可能性が高いと予想しています。

 ワシントンポスト紙は、ウクライナの敗戦は単純にウクライナの恐怖だけでなく、アメリカと欧州にも戦略的災難になると強調しています。
 「ロシアの勝利」というシナリオは西側の名声と信頼度に打撃を与え、「衰退した民主主義」に対する「統制されていない権威主義国」の新たな侵略時代の開始を見ることになるとも伝えました。
 エストニアのカーヤ・カラス首相は「屈服はプーチンの勝利を意味し、これは全世界により多くの戦争と葛藤を招くはず」と強調しています。

 アメリカは、日本に対し、実質的に戦費について、人道支援の目的で何兆というお金を出せといってこないでしょうね。
 日本の政局からして、出せといわれても無理でしょうが・・・


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