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雑記帳

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500円硬貨のデザインを変えた理由

 日本では、頻繁にではないものの、硬貨のデザインが変更されることがあります。

 1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨は、なかなか変わりませんね。
 500円硬貨だけが変わっています。

 500円硬貨の場合は、理由はシンプルで、偽造防止です。
 1円硬貨、5円硬貨、10円硬貨、50円硬貨、100円硬貨を偽造しても手数ばかりで割に合いません。コストパフォーマンスが悪いのです。

 500円硬貨はそれなりの価値があるので、偽造が「割に合う」硬貨だからです。
 令和3年から発行が始まった新500円硬貨は、従来のものと比べて高度な技術と繊細な加工により作られています。精巧な作りであるほどコピーがしづらいため、新500円硬貨を偽造するのは容易ではないでしょう。
 硬貨の偽造防止技術とともに、偽造技術も進化しています。偽造を防止するには、ある程度の期間ごとに最新の技術を用いて新硬貨を発行するほかありません。
 警察庁によると、令和4年に発見された偽造500円硬貨は825枚です。数としてはさほど多くはないものの、依然として偽造500円硬貨が発見されています。新硬貨が発行されなければ、この数は増えていく可能性が高かったでしょう。

 硬貨のデザインを変更し新硬貨を発行すると、一時的に自動販売機で使えないなどの問題が生じます。自動券売機やレジを調整したり買い替えたりなどする手間や費用もかかります。
例えば、自動販売機や自動券売機、硬貨を投入するタイプのレジなどでは、新硬貨に対応していなければ使用できません。新500円硬貨は旧500円硬貨とはデザインが異なるので、新硬貨に対応していない機械では偽造硬貨とみなされてしまうためです。

 令和3年に発行が開始された500円硬貨は、切符や飲料などの自動販売機で使えないことがありますね。
新硬貨に対応していない機械が対応していないからです。

 ただ、令和6年になっても、使えない切符や飲料などの自動販売機があるのは、新しい機械に変えるコストに比べ、新しい機械に変えることによる利益が少ないからです。
 交通系カードの普及により、切符を買うことは滅多になくなり、交通系カードを使いますね。
 飲料の自動販売機が複数台あれば、1台の自動販売機が新硬貨に対応していななくても、売り損ねということは考えにくいものです。買う人は、1000円札を入れてでも買います。
 また、1台の自動販売機は、新硬貨に対応させる新しい機会を購入するくらいなら、交通系カードでも使える自動販売機に変えた方が賢明です。

 自衛策としては、100円硬貨を複数持つようにすること、1000円札をきらさないことです。また、新500硬貨と100円硬貨3枚が財布にあり、150円のものを買うときは、新500円硬貨で支払うことです。
 新500円硬貨は、ばば抜きのジョーカーです。
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