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雑記帳

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和歌山2区

 派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、令和6年4月4日、自民党は安倍派と二階派の議員ら39人の処分を決定し、安倍派幹部の塩谷元文部科学大臣と世耕前参議院幹事長は離党勧告となりました。
 これを受けて、世耕前参議院幹事長は、即座に離党届を提出し、受理されました。
 塩谷元文部科学大臣は、あきらめが悪く審査請求をしましたが棄却され、除名の前に離党ということになります。塩谷元文部科学大臣は、選挙に弱いですから引退となります。

 なお、下村元政務調査会長と西村前経済産業大臣は1年間の党員資格停止となり、高木前国会対策委員長は半年間の党員資格停止、松野前官房長官と、二階派で事務総長を務めるなどした武田元総務大臣、林元経済産業大臣、平沢元復興大臣は1年間の党の役職停止となりました。

 世耕前参議院幹事長の処分の重さが際立ちます。
 萩生田光一前政調会長は2728万円で1年間の「党の役職停止」、世耕前参議院幹事長1542万円で「離党勧告」です。

 世耕前参議院幹事長は、第1次安倍政権のときから安倍首相を支え、安倍首相が首相を辞任して権力を失ってからも離れていくことはなく、第2次安倍内閣が誕生した功労者の1人で、経済産業大臣を長く務めました。
 近畿大学創業者の子孫で、理事長職を引継いでいます。参議院議員職も世襲です。
 もともと世耕家は新宮市出身ですから、新和歌山2区(旧和歌山3区)が地盤です。

 世耕前参議院幹事長は、平成21年、中川秀直元幹事長が主導した麻生首相おろしに積極的に関与したということから、麻生元首相の恨みをかっているということがあるでしょう。
 また、政治責任が同じ程度の二階俊博元幹事長が次期総選挙に出馬しないことで、岸田首相が処分なし(戒告に次いで軽い「1年間の党の役職停止」でも首相辞任です)ですんだという功労もあったことから、二階元幹事長の選挙区である和歌山3区(次回から和歌山2区)に息子を出馬させるための便宜をはかったとの取引があったとの噂があります。
 政治のことですから、本当のことは分かりません。

 世耕前参議院幹事長は、どうするのでしょうか。
 「猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちればただの人だ」と元衆院議長である大野伴睦の言葉がありますが、世耕前参議院幹事長は、国会議員でなくなったとしても、「ただの人」ではなく近畿大学理事長という立派な職業をもっています。しかし、国会議員を引退することはないかと思います。
 次回の総選挙(衆院議員選挙)で新和歌山2区(旧和歌山3区)で、無所属で出馬するかも知れません。
 あるいは、次回の任期満了に伴う参院議員選挙で、無所属で出馬するかも知れません。

 次回の総選挙で新和歌山2区(旧和歌山3区)で、世耕前参議院幹事長と二階元幹事長の息子の選挙になれば興味深いですね。

 ちなみに、和歌山市を中心とする新旧和歌山1区は、小選挙区制になって9度あった総選挙のうち、自由民主党公認候補は2度しか勝てていません。和歌山県は保守王国ですが、和歌山市だけは例外です。
 世耕前参議院幹事長と二階元幹事長の息子は、地盤の関係でも、選挙で勝てるかどうかという点でも、どちらも衆院の和歌山1区での出馬はあり得ません。

 ところで、現和歌山2区の衆議院議員も自由民主党公認の大臣経験者ですが、次回の総選挙での新和歌山2区(旧和歌山3区)の候補者にすらあげられていません。引退するか、比例にまわしてもらうのでしょうか。
 力がないのでしょうね。和歌山県の自民党は、世耕派と二階派に完全に2分されています。

 和歌山市自体は過疎化は進んでいくでしょうが、大阪市から電車で駅間で1時間、片道1000円以下という利便性がありますし、大阪への高速道路はずっと昔からありました。国の補助がなければ何もできないというほど、ひどくはありません。

 問題は、和歌山市とその近郊市町村以外なのですが、国の補助がなければ、維持存続すら難しいかも知れません。幸い、二階元幹事長のおかげで、海沿いではなく高台を走る紀伊半島1周の高速道路・自動車専用道路(「二階ロード」と呼ばれています)はほぼ完成し、残りの部分も完成することは確実になっています。

 和歌山県民は、案外賢いかも知れません。
 原子力発電所も立地させていません。貧しくはありますが「渇しても盗泉の水は飲まず」(孔子)ということは一貫しているかと思います。
 そういえば、弁護士がサラ金や信販会社からの過払金バブルにわいていたときも、和歌山弁護会の弁護士さんの1人が、もともとサラ金から借りる人が多くないから、サラ金バブルの恩恵に、ほとんどあずかれなかったと言っていました。その弁護士さんだけかも知れませんが・・・
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