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雑記帳

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全銀システムの不安

 令和5年10月10日朝、三菱UFJ銀行やりそな銀行など11の金融機関で、他行宛ての振込みが不能になるシステム障害が発生しました。
 翌令和5年10月11日までの2日間で255万件の送金ができず、他行に着金されない不具合も含めると、のべ約500万件もの取引に影響が広がりました。

 今回の障害は、銀行間の送金を担う「全銀システム(全国銀行データ通信システム)」と各金融機関を結ぶ中継コンピュータで起きました。
 全銀システムは全国の金融機関が接続し、1日あたり平均13兆円規模の取引を処理していて、影響は全国に波及しました。

 令和5年10月10日は、決済が集中する「5・10日(ごとうび)」だったこともあり、障害が発生した金融機関では「給料が振り込まれない」「支払いが滞ってしまう」などと訴える利用者が相次ぎました。

 全銀協(全国銀行協会)傘下で全銀システムを運用する全銀ネット(全国銀行資金決済ネットワーク)は、損害を補償する方針を打ち出していますが、それで不安が拭えるわけでもない。

 みずほ銀行では、近年、しょっちゅうATMが停止するなど8回もの大規模障害が繰り返されました。これは、実質的な吸収合併で生じた他のメガバンクと異なり、みずほ銀行は3行対等合併の特有の問題かも知れませんでしたが、令和5年10月10日のシステム障害は異なります。

 いったいなぜこんな事態に陥ったのか。最大の原因はシステムの老朽化にあるとメガバンク関係者は指摘します。
「 全銀システムは古いコンピュータ言語言語はCOBOLで、50年に及ぶで書かれた巨大なシステムで、大きすぎるがゆえに若干の手直しはしつつも大幅な変更をしてこなかった。銀行業界全体で見ても、長引く停滞のなかでシステム開発・保守にヒト・モノ・カネをかけられなくなり、トラブル対応のノウハウも継承が困難になっている。表面化しないシステム障害は日常的に起きている」

 金融庁の「金融機関のシステム障害に関する分析レポート」(令和5年6月)によれば、令和4年度に報告されたシステム障害は約1900件にものぼり、前年度から約200件も増加。その最大の要因が「管理面・人的要因」にあるということです。

 全銀システムはすべての金融機関とつながっていて、みずほをはじめ個別行で発生したシステム障害よりも深刻な問題を孕んでいて、今回不具合が生じた中継コンピュータは保守期限を迎える6年ごとに更新され、令和9年までに24回に分けて行なう更新作業の1回目だったそうです。
 三菱UFJなどを対象にした初回でいきなりつまづいたわけですから、残り23回の作業中に再び同様の大規模障害が発生することも考えられます。

 全銀システムの障害は稼働開始から50年間で初めてというが、その長い歴史が仇となった可能性がある。

 全銀システムは旧電電公社時代を含め、NTTデータが一貫して開発・保守を手がけており、競争のない独占状態で運用が行なわれてきました。
 システムに問題はないか、また運用コストは適正か外部の検証を受けていません。

 金融庁はNTTデータに対し、令和5年10月27日付で報告徴求命令を出しましたが、それで、問題が解決されるわけではありません。

 信頼性に疑問符が付いた以上、新しいシステムの構築も検討されるべきかもしれません。

 日本と日本人は保守的です。
 西日本と東日本で、家庭用電気の周波数が異なる、つまり、同じ国で家庭用電気の周波数が異なるのは、日本くらいのものだそうです。
 戦争で、領土を取ったり、取られたりしているく国は知りませんが・・ 


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