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　令和６年３月９日、中国の原子力発電所が令和４年に放出した排水に含まれる放射性物質トリチウムの量が、東京電力福島第１原発処理水の年間放出計画量の上限と比べて最大９倍に上ることが、中国の公式資料で明らかになりました。

　中国の公式資料は、令和５年版の原子力専門書「中国核能年鑑」です。
　令和４年の原子力発電所の運用状況や安全性のデータが記録されています。
　１３原発計１９カ所の観測地点で放射性物質を調べたところ、７割以上に当たる１５か所の排水に含まれるトリチウムの量が、福島第１原発から放出が計画されるトリチウムの年間上限量の２２兆ベクレルを超えていました。
　浙江省に立地する秦山原発が２２年に放出したトリチウム量は２０２兆ベクレルと、処理水上限の９．１倍でした。

　これにより、処理水を「核汚染水」と呼んで海洋放出を非難する中国が相当量のトリチウムを放出してきたことが改めて浮き彫りになりました。

　中国は、日本の処理水には他の放射性物質も含まれるとして海洋放出に反対する立場を崩さず、日本と主張が平行線をたどっています。
　ちなみに、日本の処理水は、他の放射性物質の測定もしていますが、いずれも基準値未満といいますか、微量すぎて測定はできていません。

　中国による日本産水産物の禁輸といった問題解決は困難な情勢です。
　無理に、日本産水産物を輸入してもらう必要はないでしょう。