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雑記帳

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「日本の水産物」中国向け消失も「輸出増加」

 中国が、令和5年8月に中国が処理水の放出をめぐり、日本からの水産物輸入を停止しました。
 中国は日本の水産物にとって最大の輸出先であり、その輸出シェアは、令和4年時点で22.5%ありました。さらに香港の19.5%を加えると42%にも及び、その影響について大きく報道されていました。
 特にホタテガイは、中国向け輸出が51.3%を占め、輸出が止まった影響がクローズアップされていましたね。

 結局、令和5年の水産物輸出金額は結局どうだったのでしょうか?
 農林水産省が発表したデータによりますと、結果は減少どころか、3901億円と前年の3873億円を上回り「過去最高」を更新しました。

 農水省のデータの内訳を見ますと、ホタテガイの輸出金額は689億円と24%減少しました。その他にサバが35%減の122億円、イワシが15%減の99億円などとなっています。
 ちなみに、サバについては、水揚げ量の減少で、輸出数量が4割も減少しています。
 一方で、輸出金額が増加したのは、輸出重点品目の真珠が456億円と92%大幅に増加したほか、ブリが15%増加して418億円、カツオ・マグロも27%増加して227億円となっています。

 世界の水産物貿易は増加を続けていますので、どこかの国の輸入が止まっても、その分は、ほかの国々や自国で消費されていくことがわかります。
 それだけ水産物に価値があり、また貿易商材としてのポテンシャルは高いことがわかります。

 国別では中国が30%減の610億円と輸出金額が大きく減少し、その他では韓国で7%減の228億円、台湾で5%減の330億円となっています。
 他方で、香港が35%増の1016億円と大幅増で、アメリカが14%増の612億円、ベトナムが10%増の238億円、タイが4%増の245億円となっています。

 香港でも東京・福島・千葉・栃木・茨城・群馬・宮城・新潟・長野・埼玉の10都県からの水産物の輸入禁止措置をしましたが、香港向けの輸出は減るどころか大幅に増加しています。
 中国向けがその分香港を経由して輸入されているのではという疑問がわきますが、中国のレストランや飲食店の水産物は、輸入先がきちんと証明できなかったり、輸入停止命令後に日本から輸入したと疑われたりした場合、厳しい罰金刑や営業停止などの処分を受ける可能性があり、迂回ルートでの中国向けは、大きくなさそうです。


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