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雑記帳

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境界知能

 境界知能とは、知的障害ではないけれど、知能指数(IQ)が一般より低い70~84に位置する人のことをいいます。境界知能にあたる人は全体の約16%、40人クラスだと約6人いるとされています。

 偏差値は、受験などに用いられる他、知能指数にも用いられています。
 受験などで用いられる偏差値は、標準偏差0なら50点、標準偏差+σなら60点、標準偏差+2σなら70点、標準偏差+3σなら80点、標準偏差-σなら40点、標準偏差12σなら30点、標準偏差-3σなら20点とします。
 偏差値40から60までは、-σ以上+σ以下で「平均的」ということになります。

 偏差値60~70(あるいは30から40)は、上位(下位)各15.866%
 偏差値70~80(あるいは30から20)は、上位(下位)各2.275%
 偏差値80~90(あるいは20から10)は、上位(下位)各0.13499%
 となります。

 知能指数(Intelligence Quotient)は、標準偏差0なら100、標準偏差+σなら115、標準偏差+2σなら130、標準偏差-σなら85、標準偏差-2σなら70となります。
 偏差値85から115までは、-σ以上+σ以下で「平均的」ということになります。

 IQ70から84は、-2σから-σで、15.866%いることになります。
 これが「境界知能」と呼ばれます。
 IQが低いため日常生活で様々な困難が伴うけれど、知的障害ではないため必要な支援が受けられません。そのため社会に適応出来ず、生きづらさを抱える人がいるのだといいます。
 教師の視点から、境界知能や何かしらの課題があるけれど、はっきりした原因や状態がわかりにくい「グレーゾーンの子どもたち」と見られます。
 境界知能の子は普通に話してもほとんど見分けがつかず、周囲から気付かれにくいのだそうです。
 しかし、境界知能の子は、発達年齢が平均的な子の7~8割と言われており、2学年下の子が混ざって勉強しているようなものといえます。
 勉強についていけなくて当然なのですが、「やる気がない」「真面目にやっていないのではないか」「厄介な子」「さぼっている」と周囲から誤解されてしまうといいます。実際は、本人たちもどうしていいか分からず困っている可能性があり、やる気でどうにかなると責められたり怒られたりしても、問題の解決にはなりません。

 このところ、発達障害の存在が広く知られるようになり、有名人の中でも発達障害であることを公表する人も出てきました。
 発達障害が知られる前は、なんだか不思議な子、抜けている、困った人みたいに思われていた人たちが、実は障害を抱えていることがわかり、少しずつ仕方のないことなのだと理解されるようになってきました。
 境界知能も、「本人の努力や意思ではどうしようもないもの」という理解が必要なのでしょう。

 ただ、社会に出ると難関が待ち受けています。
 本人たちのやる気ではなく、天性のものですから、寛容に接するということがよいのですが、なかなかそうはいきません。
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