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雑記帳

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連日暴落の中国株式市場に投資家らが怒り 抗議の投稿先はアメリカ大使館のSNS

 CNNは、北京のアメリカ大使館が、令和6年2月2日、中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボ)」に投稿したアフリカの野生キリンの保護に関する投稿に、16万件以上のコメントが寄せられたが、その多くは動物保護とは全く無関係の内容だったと伝えました。
 中国では連日の株価暴落を受け、個人投資家たちが、それぞれの怒りや不満を、なぜか駐中国アメリカ大使館の中国語版ソーシャルメディアにぶつけているとのことです。

 令和6年2月5日の上海総合指数は1%下がり、6取引日連続で下落。終値は4年ぶりの安値を付けた。前の週、同指数は6.2%下落し、週間としては平成30年10月以来最大の下げ幅となりました。
 令和6年2月5日、株価は再び下落し、全上場銘柄の3分の1を占める上海市場と深セン市場の1800以上の銘柄が10%以上値を下げました。

 中国では他に抗議できるメディアがないため、怒りや不満を抱える個人投資家たちは意見を投稿できるアメリカ大使館のウェイボサイトを選択したとCNNは指摘しています。
 中国市場規制当局などのSNSアカウントは、コメントが不可となっているからです。
 中国当局も、さすがに、アメリカ大使館のたてたスレッドを抹消する勇気はありません。

 検閲による削除を回避するため、一部のSNSユーザーは婉曲した表現や風刺を使って当局への自分たちの感情を表現しています。
 あるユーザーはアメリカ大使館の動物保護の記事に絡め「立ち上がれ!奴隷になることを拒否するキリンです」と同大使館のウェイボに投稿しました。別のユーザーは、「キリンのコミュニティが楽観主義に満ちている」と投稿しました。

 CNNの試算によりますと、上海、深セン、香港の各証券取引所の統計に基づく令和3年2月に記録した近年における最高値から転げ落ちるように、中国と香港の株式市場はわずか3年で時価総額約6兆1000億ドル(約900兆円)を失ったそうです。
 日本の一般会計の令和6年度の予算が112兆円強ですから、中国と香港の株価は、たった3年で、日本の一般会計の予算の8年分を失ったことになります。
 CNNは、不動産市場の崩壊、若者の高い失業率、デフレーション、急速に低下する出生率は、世界第2位の経済大国・中国が抱える問題の一部に過ぎないと伝えています。

 中国の経済は悪化しています。
 国内総生産(GDP)の25%を占める不動産市場が低迷する中、物価も令和5年10月から3か月連続マイナスを記録するなど、デフレに苦しんでいる状況です。
 令和5年5.2%成長し、令和6年も4%台半ばの成長が予想されてはいますが、本当にする人はいないでしょう。
 人口が、令和4年、5年に2年連続減少し、構造的成長鈍化に対する懸念が高まっています。
 平成25年に習近平国家主席が政権を掌握し、中華民族の復興という「中国の夢」をビジョンに掲げ、米国の覇権に挑戦しようと奮闘しましたが、過去の中華帝国の名声を取り戻す前に、中国の夢が悪夢と化す危機に直面しています。

 なお、このところ、日本のマスコミでも、中国の経済が悪いという報道がなされるようになりましたが、少し前までは、このような報道はなされていませんでした。
 日本のマスコミの中国への忖度があったと考えられています。
 ただ、トレーダーなど経済実務家にとって、2、3年くらい前から公知の事実であったらしく、少なくとも、中国外の投資家は、中国の経済崩壊がわかっていて、既に、実質的に手じまいを終えているとのことですから、中国外に信用不安を起こすことはなさそうです。
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