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雑記帳

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第一三共製薬コロナワクチン承認

 武見敬三厚生労働大臣は、令和5年12月28日の閣議後の記者会見で、第一三共製薬が開発した新型コロナウイルスワクチンを承認したと発表しました。
 オミクロン型の派生型「XBB.1.5」に対応します。
 令和5年12月4日の週から配送を始め、令和5年度末までの無料接種に活用します。
 国産コロナワクチンでは初の実用化となれます。

 厚生労働省は、既に、第一三共製薬と140万回分のワクチン購入で合意しています。
 同省は年度内の接種用に米ファイザー社、米モデルナ社と計4500万回分を確保しているため、両社より少ない第一三共製薬ワクチンが打てる機会は限られる見通しです。

 また、厚生労働省は、明治ホールディングス傘下のMeiji Seika ファルマ(東京都中央区)のコロナワクチンも承認しました。
 同社のワクチンは「レプリコンワクチン」と呼ばれるタイプで、従来のmRNAワクチンに比べて少量の接種で高い効果があるとされています。
 承認されたものは、オミクロン型の派生型「XBB.1.5」に対応していないため、現在の接種では使われません。

 武見大臣は「今後の感染症危機を見据え、感染症に対するワクチンを国内で開発生産できる体制を確立するために引き続き必要な支援をする」と話しています。

 第一三共製薬のmRNAを使ったコロナワクチン「ダイチロナ筋注」は、令和5年8月に国内企業が開発した初の国産コロナワクチンとして国内での製造販売承認を取得しました。
 ただ、そのとき承認を取得したのは、オミクロン型の派生型「XBB.1.5」従来型ウイルスに対応していないワクチンだったため、供給はされませんでした。
 その後、同社は新型コロナのオミクロン型の派生型「XBB.1.5」に対応したワクチンを開発し、令和5年9月に厚生労働省に一部変更承認を申請しました。
 令和5年11月末に一部変更が承認されたことを受け、令和5年12月中旬から医療機関において、現在実施されている秋接種に使われ始めたという経緯です。

 日本勢がワクチン製造で出遅れたのは「平時からの備えという意味で海外勢との差があった」と指摘されています。
 感染症の流行はいつ起きるかわからず、製薬企業にとっては平時のワクチン開発への投資は負担となり、採算性から難しい面があります。
 第一三共製薬も、平成十年代から、mRNA医薬品の基礎研究を始めていたものの、主力薬があり他社に対して優位性を持つがん分野への重点投資を中期経営計画では柱に据えていました。

 一方の海外勢は「SARS(重症急性呼吸器症候群)やMERS(中東呼吸器症候群)などが流行したことから、ワクチン開発への関心が高かったといえます。
 mRNAを使った医薬品の生産設備も持っていて、結果的に海外勢はコロナ流行から1年程度でmRNAワクチンを実用化させました。
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