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雑記帳

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日本のGDPが4位に

 令和6年2月15日の内閣府の発表によりますと、令和5年の日本の名目国内総生産(GDP)が、およそ591兆4820億円となり、ドルベースで換算すると日本はドイツに抜かれ、ドイツに抜かれ世界4位に転落しました。4兆2106億ドルとなります。
 ドイツ連邦統計庁が公表した令和5年の名目GDPを同年の平均為替相場で換算すると約4兆4561億ドルでした。
 ドイツの人口は、日本の約3分の2ですから、日本の1人あたりのGNPは、ドイツの3分の2という計算になります。

 ドイツ経済は、令和5年のGDPの成長率がマイナス0.3%、物価高、とりわけ燃料の物価高とあいまって、国民の生活は苦しく「欧州の病人」とも指摘されています。
 経済成長率の見込みも、ドイツが日本を下回っています。
 現実に、ドイツの最低賃金は、時給1800円(12ユーロ(令和4年3月時点)。1ユーロ160円として計算)からしても、ドイツの物価は日本の1.5倍はこえるでしょうから、日本人が日本で買える財やサービスは、ドイツ人がドイツで買える財やサービスに劣っているというわけでもなさそうです。
 名目GDPは、物価高で増えるという計算は皮肉です。
 また、物価高の他、移民による治安悪化によって、ドイツ市民の不満はドイツ政府に向かっていて、政府の信認率は低く、連立与党の支持率は「じり貧」となっています。

 この逆転は、為替変動の要因が大きく、それだけで一喜一憂する必要はありません。
 とはいえ日本の成長力の底上げは進んでいません。
 国際通貨基金(IMF)は年1回の対日経済審査後の声明で、昨年秋に決めた所得税減税などの経済対策について、的が絞られていないなどの理由で「妥当ではなかった」と評した。中長期の改革に及び腰な現政権には厳しい指摘です。
 経済協力開発機構(OECD)も人手不足などを展望して定年制廃止による高齢者就労の拡大、女性や外国人の雇用促進を日本に提唱しています。

 ただ、日本も、物価や賃金の上昇が始まり、日銀も超金融緩和策の正常化に動き出しています。

 もっとも、日本の少子高齢化が、日本の経済発展を妨げています。

 令和4年度の医療費は48兆円、令和2年度の人口1人当たりの医療費を年齢別で見ると、「65歳以上」が75万4000円(構成比60.6%)、「0歳~14歳」は16万3500円(構成比5.4%)、「15歳~44歳」は13万3000円(構成比同11.9%)、「45~64歳」は29万700円(構成比22.1%)ですから、高齢者の医療費は年間29兆円になる計算です。
 また、医療費の国庫負担割合は4割(健康保険5割。自己負担1割)ですから、国費は約11.6兆円になる計算です。
 また、令和4年における。ぼぼすべてが高齢者と考えられる介護費用は11.1兆円です。
 労働生産をしないものと計算される高齢者への医療費と介護費用だけで23兆円にも上り、直接の比較をしても意味はありませんが、令和5年度予算の国の一般会計歳出は114.4兆円ということを考えると、いかに巨額かがわかります。

 高齢者への医療費や、高齢者への介護費用を支出したからといって、日本の労働力の増加にはつながりません。私も高齢者の1人ですから「無駄金」とまでは言いません。
 生産につながらないと計算される高齢者の全人口に占める割合が約29.1%、生産につながらないと計算される高齢者への医療や介護に約23兆円を支出しているわけですから、日本全体の生産性が他の国に比べて上がるはずはありません。

 少子化対策(といっても効果の出るのは、早くとも22年後になりますが・・)、高齢者の労働市場の拡大、女性の社会進出、機械化、AIの利用などにより補えなければ、日本はじり貧となります。
 しかし、高齢者になっても、手厚い介護、手厚い医療が受けられる日本は、幸せな国ともいえます。
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