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2024年バックナンバー

雑記帳

防衛装備庁「レールガン」洋上射撃に成功

 防衛装備庁は、令和5年10月17日、海上自衛隊と連携し、世界で初めて艦艇にレールガンを搭載して洋上射撃試験を実施したと発表しました。
 なお、防衛装備庁はいつどこの海域でレールガンの洋上射撃試験を実施したのかは明らかにしていません。

 自衛艦隊下の開発隊群に所属する試験艦「あすか」から発射されました。
 「あすか」は海自唯一の試験艦で、基準排水量4250トン、長さ151メートル、全幅17.3メートルで、将来、艦艇に必要な基礎技術や艦艇装備品の海上試験を行っています。試験艦といっても、「むらさめ型」(基準排水量4550トン、長さ151メートル、全幅17.4メートル)護衛艦と同じ、かなり大きな艦船です。

 主な用途として想定しているのが、「極超音速兵器(Hypersonic Weapons)」への対処です。
 極超音速兵器はマッハ5以上の極超音速で、通常の弾道ミサイルより低い軌道を長時間飛翔し、さらに任意のタイミングで速度や高度を変えたりする機動性を持ちます。
 既に中国とロシアは、米国に先んじて第一線の部隊に配備しています。

 極超音速兵器は、極超音速兵器が、既存の防衛システムを突破する可能性がある大きな脅威として、世界各国が対処技術の開発を急いでいます。
 レールガンは、電気エネルギーで弾丸を放つ砲のことで、「電磁砲」とも呼ばれます。火薬を使う従来の砲よりも、弾丸の初速を大幅に向上させることが可能で、弾丸が小さく、探知されにくい利点もあります。

 レールガンは、これまでの兵器では対処が難しい「極超音速誘導弾」などに対する防空や、艦艇や地上目標に対して回避が困難な打撃手段として使われる見通しです。
 まずは小口径のレールガンでデータを取得した後、中口径レールガンの開発が想定されています。

 連続射撃の際、問題になるのが「弾丸との摩耗などによる砲身レールの損傷」「大容量の電力」の2点です。
 防衛装備庁は、弾丸との摩耗などによる砲身レールの損傷はクリアしているとみられます。

 通常、レールガンは、電力の関係で、原子力強襲揚陸艦からしか発射できないとされてきました。
 どの程度の口径の弾丸を発射したのか、どれだけの数の弾丸を発射できたのかは、公表されていません。


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