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2023年バックナンバー

雑記帳

「難民問題」の失敗で瓦解するドイツ政治

 令和5年10月8日に、ドイツのバイエルン州とヘッセン州で、州議会選挙が行われました。2州だけで人口の25%を占めています。
 連邦政権与党の社会民主党(SPD)、緑の党(Die Grünen)、自民党(FDP)は、そろって、討ち死にという結果でした。自民党は、有効投票数の5%とれずに議席を失いました。
 有権者が中央のドイツ連邦政府に持っている大きな不満が、州議会選挙に見事に反映されたといえます。

 現政権の不満は、多岐にわたります。
 まず、まずはエネルギーの高騰です。

 ウクライナ戦争によるロシアからのガスは止まっています。
 もっとも、プーチン大統領は、エネルギー危機の最中に原発を止めろといっていません。

 ドイツ政府が勝手に行っている自滅政策で、それを強行しているのがハーベック経済・気候保護相(緑の党)です。
 通称「暖房法」を強引に通したのもハーベック氏で、これにより、令和6年以降の新築家屋では、暖房に使うエネルギーは少なくとも65%が再エネであることを義務付けられます。さらに、現在のガスや石油の暖房も、いずれは皆、ヒートポンプ式の電気暖房に取り替えなければならなくなります。
 ただ、ヒートポンプは製品も施工費も膨大になるため、大きな負担となります。

 それに加え、CO2削減を目指す政府は、ガソリン車からEVへの強引なシフトにも拘泥しています。
 豊かでない人は、EVはいくら補助金がついても高くて買えませんし、多くの零細企業にとっては、ガソリン車やディーゼル車はそれこそ命綱です。2035年からは販売禁止となります。

 今回の惨敗の一番の原因は難民問題です。
 難民志願者は、本物も偽物もとめどなく入ってくます。
 地方自治体が、住居も、職員も、託児所も、教師も、もちろんお金も足りず、さらに犯罪まで増えて、完全に窮地に陥っています。
 多くの危険人物を無制限に入国させ、次第に悪化する治安を看過し続けてきています。

 それどころか緑の党は、どんなにイタリア政府から抗議されても、難民支援のNGOに対する資金援助もやめようとしません。
 このドイツのNGOが大きな船で難民を救助しては、イタリアに運んできています。
 おまけに、自国に入れようとしません。
 現在のEUでは、欧米人や東洋人とは異質のメンタリティーを持った人たちがどんどん増え、ほとんど歯止めがかからない状況になりつつあり、その中に、西洋文化の粉砕を願うテロリストやイスラム原理主義者が混じっていることは厳然たる事実です。

 日本政府は、これを反面教師として、より良い移民受け入れ体制を確立するチャンスなのですが、進んでいません。
 日本でも、移民や難民があちこちで散発的にトラブルを引き起こし始めました。
 これらを放置すると、あっという間にもっと深刻な問題に発展するでしょう。
 政治家は、世界一ともいえる安全な日本を守るため、もっと真剣にヨーロッパの移民事情の闇に目を向けてほしいものです。
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