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2023年バックナンバー

雑記帳

有休を会社で「買い取ってもらう」ことはできるか

 有休を勤務先で「買い取ってもらう」ことはできるでしょうか。

 年次有給休暇の買上げを予約することは、労働基準法39条の規定による請求できる年次有給の日数を減らすことから違法です。
 有給休暇は、厚生労働省によって「一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇」と定義されており、期間内にすべて取得すべきものだからです。

 例外があります。
 勤務先で、労働基準法に定める日数であっても、2年間の時効によって消滅するものを、2年間が経過して時効消滅した後に買上げることは違法ではありません。
 また、退職者の年休を、退職時に買上げることは違法ではありません。
 いずれも、使えなくなってしまった有給休暇です。

 有給休暇の買取り額は、就業規則によって決まります。
 例えば、労働基準法で定める平均賃金(「過去3ヶ月間に支払われた賃金÷日数」によって算出された金額)などの算出方法の定めがあります。
 就業規則があれば、有給休暇を使い切ってもよし、お金が欲しければ、できるだけ有給休暇を取らずに働くもよしということになります。
 ただ、規定どおり有給休暇をとれる職場にいられるとは限りませんね。
 有給休暇をとると、同僚が、その分働かなければなりません。

 当事務所は、事務員が使い残して2年経った有給休暇を買い取っています。
 ただ、労働基準法で定める平均賃金(「過去3ヶ月間に支払われた賃金÷日数」)より単価を安くしています。
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