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2023年バックナンバー

雑記帳

五重相伝

 私の家の宗教は、浄土宗西山派(本山・京都の光明寺)です。
 令和5年11月3日(金。祝日)から5日間、和歌山市内の浄土宗西山派のお寺で五重相伝を受けることになりました。
 令和5年11月6日(月)と7日(火)は、修行中で事務所にはおりません。悪しからずご了承ください。

 五重相伝は初重から第五重まであり、朝から晩まで5日間かけて、自分自身の振り返りや浄土宗の考え方を学び、最後に念仏の奥義を口伝で授かるというものです。
 五重相伝は数年から数十年に一度しか開催されないため、参加できる機会に恵まれること自体がかなり希だといえるそうです。

 浄土宗の戒名は、五重相伝を受けていると、戒名の位号に「禅定門」(男性)「禅定尼」(女性)がつき、「空」などの誉号がつきます。現実に、両親の戒名にはついています。

 大正13年生まれの亡父は、第二次世界大戦勃発前後に、私の本籍地(私は本籍地は変えていません)の近くの浄土宗西山派の寺にて、五重相伝を受けています。戦死することを予想してのことです。
 結局、亡父は、高等農林から陸軍予備士官学校を出て、見習士官として、本土決戦に備えて大阪府和泉市にある信太山砲兵陣地(野砲兵第四聯隊)に赴任したのが昭和20年の8月のことで、外地に行くこともなく、全く実戦経験のないまま、無事に終戦を迎えています。
 ちなみに、私の近しい親族に、戦死者、戦争により死亡した人もいません。母方の祖父が広島県出身でしたので、母のいとこに、原爆で死んだ人はいます。

 亡父が死亡したときは「空」「禅定門」がついた戒名が用意されていました。
 亡母の実家の宗教は浄土真宗で、また、五重相伝を受けていないので、本来は「禅定尼」がつかないはずですが、お寺さんの配慮で「禅定尼」をつけてもらいました。
 条件として、私が、次の五重相伝を受けることで勘弁してもらいました。
 本来なら、私が、五重相伝を受け「贈り五重」で、母は「禅定尼」に昇格のはずなのですが・・

 私が、約束どおり、五重相伝を受けるということになった次第です。
 何か、母親の借金を子が返すというようでもありますが、私自身も、「空」「禅定門」がついた戒名をもらえ、葬儀にあたり戒名料の負担もありませんから(五重相伝には若干費用がかかります)、悪い話ではありません。
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