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2023年バックナンバー

雑記帳

中国、日本のビザ免除復活困難 「相互主義」要求 シンガポールとブルネイは再開

 中国政府は、新型コロナウイルスの流行を受けて停止した日本に対するビザ免除措置の再開に難色を示しています。

 日本は、中国渡航に支障が出ているため日本側は回復を要望していますが、中国政府は中国人の訪日でも同様に免除する「相互主義」を新たに要求しはじめました。

 中国は、平成15年から、日本人観光客にから滞在日数15日以内のビザ免除措置を認めていましたが、コロナ禍で令和2年春に一時停止しました。
 現在、中国に短期出張や観光旅行に行くにもビザ申請が必要です。

 コロナ前は、日本人が中国に15日間以内の観光にはビザが必要ではありませんでした。
 しかし、中国人が日本に観光するのにもビザが必要で、年収25万元(約340万円)以上の、一般に富裕層と呼ばれる人たちに、個人観光ビザの発給が認められています。
 不公平ですが、観光客にもビザを必要とする理由は、観光客を装ってビザなしで入国し、就労することを防ぐためのが主たる目的です。
 中国人が、日本に観光ビザで入国し、不法就労はありえます。
 逆に、日本人が、中国に観光ビザで入国し、不法就労は考えられません。

 ということで、原則は「相互主義」ですが、日本と中国のように、個人間の所得格差が大きい場合は、中国は、日本人には観光旅行の場合はビザを免除していました。逆に、日本は、中国人には観光旅行の場合はビザを必須としています。

 日本国際貿易促進協会の訪中団は、令和5年7月、中国の王文濤商務相と会談し、ビザ免除再開を要望しました。
 王文濤商務相氏は「日本に対して互いにビザを免除する協議を提案した」と述べ、中国へのビザ免除が再開条件になると事実上表明しました。

 日本はのめません。
 中国人が、日本に観光ビザで入国し、不法就労の可能性が大きいからです。
 ということは、日本人が中国に観光のために入国するには、ビザが必要な状態は変わらないということになります。

 中国が、他の国にも「相互主義」を求めるなら、首尾一貫しています。
 しかし、中国は、シンガポールとブルネイには、15日間以内の観光にはビザを求めないという措置をとっています。
 シンガポールの外交事情に詳しい関係者は「人口規模の違いもあり、中国にビザを免除していないが、中国側が態度を急に軟化させた」と明かす。対応に差をつけ、関係が悪化している日本に圧力を与えているとの見方も一部にあります。

 中国を巡っては、令和5年7月1日にスパイ行為の取り締まり強化に向けて改正された反スパイ法が施行され、日本人男性社員が拘束される恐れが強くなっています。

 中国に観光旅行に行く必要はないかと思います。


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