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2023年バックナンバー

雑記帳

岸田首相のキーウ訪問

 令和4年2月24日にウクライナ戦争が勃発しました。

 イギリス、ドイツ、イタリアの首相、フランスの大統領に続き、アメリカのバイデン大統領もウクライナにいってゼレンスキー大統領と会談しました。

 日本が議長国として、令和5年5月に広島で開催するG7首脳会議(G7サミット)で、ロシアによるウクライナ侵攻を主要な議題にする考えです。
 G7首脳でウクライナにいってゼレンスキー大統領と会談していないのは、岸田首相だけとなりました。岸田首相はキーウ訪問に前向きです。

 そもそもなぜ、岸田首相はキーウ訪問をしたいのでしょうか。
 政府関係者は「首相がキーウを訪問すれば、ウクライナ問題に積極的に関与している日本の姿勢をアピールできる」と指摘。首相官邸関係者は「現地の状況を見ているのと、見ていないのでは(説得力が)違う」と説明します。

 訪問にこだわる必要はないという見方もあります。
 別の外務省関係者は、首脳がキーウを訪問した他の6カ国は、軍事同盟である北大西洋条約機構(NATO)加盟国です。
軍事同盟であるNATOと、NATOに加盟していない日本とではできることは別であり、武器すらも送れないわけですから、大事なのはロシアによる国際法違反の侵略をどう止めるかで、それに資する行動をとるべきという意見もあります。

 岸田首相のキーウ訪問には2つの壁が立ちはだかります。

 ひとつは激しい戦闘が続く現地での安全確保です。
 ウクライナ上空にはミサイルやドローンが飛び交うため、飛行機で入ることは難しいといえます。
 バイデン氏と同様、隣国のポーランドから陸路でのウクライナ入りが想定されますが、防衛省は「自衛隊法上、海外で要人を警護できるという明示的な規定がない」と説明し、外務省関係者は「米軍の力を借りなければならないし、完全な防護はできない」と説明します。

 もう一つは、国会との関係です。

 憲法63条は首相や閣僚は「答弁または説明のため出席を求められたときは、(国会に)出席しなければならない」と定めていて、首相は国会日程に拘束されます。
 法律や規則に定めはありませんが、慣例として、国会開会中の海外出張は、衆参両院の議院運営委員会の理事会で官房副長官が日程などを説明し、了承を得ることが必要とされています。

 立憲民主党の泉健太代表が、令和5年2月25日、岸田文雄首相によるウクライナの首都キーウ訪問について「秘匿して行く必要があるのか。国会の了承を得て堂々と行くのもひとつの姿だ」と記者団に語り、国会の事前承認が必要だとの認識を示しています。

 これに反応したのが、国民民主党の玉木雄一郎代表は、令和5年2月26日、Twitterに「総理や閣僚が国会開会中に外国訪問する際には議員運営委員会の事前承認が必要ですが、セキュリティの問題などを考えると国会やメディアに事前に知らせることはリスクを伴います。岸田総理のキーウ訪問については、野党も事後報告を認めるべきです。国益に叶う判断が必要です」と投稿しました。
また、令和4年末のヨーロッパ歴訪時に、岸田首相が電撃訪問を模索したものの、一部メディアのすっぱ抜きによって断念したとも語っています。

 まあ、岸田首相がウクライナにいってゼレンスキー大統領と会談するだけの意味はありません。
 武器援助の約束をできませんから。
 また、岸田首相がゼレンスキー大統領と会談する日時場所がもれたら大変です。

 岸田首相は、万が一のことになっても、いくらでも代わりはいます。
ゼレンスキー大統領に万が一のことがあったら大変です。



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