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2023年バックナンバー

雑記帳

増える空き家の税優遇見直し検討

 全国で空き家が増えています。
 国の調査では、賃貸用などをのぞいて人が長い間住んでいない家は349万戸あり、人口減の時代を迎え、今後はさらに増えると見込まれます。
 売りたくても売れず、管理の費用や手間がかさむといったこともあります。
 相続放棄などで放置され続けると、周辺環境の悪化や倒壊などにつながります。

 総務省の住宅・土地統計調査(平成30年)によりますと、空き家は全国に849万戸あり、住宅の総数に占める割合は13.6%です。
 野村総合研究所の予測では、空き家の取り壊しが進まない場合、令和29年にはさらに31.5%に上昇するとの予想です。
 特に、持ち家率が高い団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる令和7年以降、急増する恐れがあります。

 別荘や賃貸用の住宅などをのぞき、人が長い間住んでいない空き家は349万戸(5.6%)で、高知、鹿児島、和歌山、島根など6県で総数の10%を超えています。
 木造一戸建てが240万戸で、「腐朽や破損あり」も約101万戸あります。

 相続放棄され、誰も管理しなくなってしまうこともあります。
 司法統計などによりますと、令和31年の相続放棄の件数は約25万件で、10年前の1.5倍と、亡くなる人の増え方を上回る勢いです。
 地方の地価低迷や、住む予定がない、親族ではあっても関係が疎遠、といったことが背景にあるとみられます。
 「不動産」ならぬ「腐動産」の押し付け合いもよくあります。

 平成28年には空き家対策特別措置法が施行され、空き家が危険な状態にある場合は、自治体が略式代執行で取り壊すこともできるようになっています。
 相続放棄された物件については、自治体が民法の「相続財産管理人」などの仕組みを使って売却することもあります。
 ただ、売れなければ手続きの費用を税金でまかなう必要があるため、地方の資産価値が小さい家は放置されざるをえません。

 さらに、国は、管理状態が悪い空き家の修繕や建て替えを促すため、固定資産税の優遇措置を見直し、税負担を増やす検討を始めました
 今月末の有識者会議で制度見直しを決め、早ければ令和6度中に新たな課税を始めたい考えです。
 現在、建物さえたっていれば、どれだけ老朽化しようと、住んでいても住んでいなくても、固定資産税都市計画税額は、更地より優遇されています。
 住んでいなければ、更地と同様の固定資産税都市計画税額をかけることになりそうです。
 といっても、買い手がない土地は、どうしようもありません。


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