本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

「バイデンフレーション」がアメリカ民主党を直撃

 アメリカ在住のジャーナリストの記述によると、アメリカでは、インフレは感じられるようになってきるそうです。

 近所で最安値のガソリンスタンドには、連日、車が行列をなしているそうです。
 ワシントン近郊をはじめ都市部では公共交通機関を利用して通勤する人が多いが、アメリカでは内陸部に住んでいる人をはじめ大半の国民は車通勤のため、日々家計を直撃するガソリン価格上昇には神経質だそうです。

 アメリカ労働省が令和3年12月10日に発表した令和3年11月月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で6.8%で、39年ぶりの高い数値を記録したそうです。
 6カ月連続で5%を超え、FRBのパウエル議長も認めたように「一過性」とは言えなさそうです。

 アメリカ経済は新型コロナによる不況からの回復過程にあります。
 しかし、インフレ懸念の強まりによって、バイデン大統領と民主党は、政治面でこれまでにないほど、窮地に立っています。

 インフレの要因は新型コロナであるとバイデン政権はこれまで主張してきました。
 日本は例外ですが、ヨーロッパをはじめ先進国の多くで、アメリカほどではないものの、物価上昇が起きているのは確かだです

 ポリティコ紙・モーニングコンサルト紙の共同世論調査(2021年11月13~15日)によると、62%のアメリカの有権者が国内のインフレについてバイデン政権の政策に責任があると述べ、大統領にはまったく責任がないとの回答は11%にすぎないとのことでした。

 新型コロナのせい、とのバイデン政権の主張は説得力を持っていません。

 インフレには、コストプッシュ型インフレとディマンドプル型インフレがあります。双方の要因が重なったインフレもあります。

 アメリカの現在のインフレは過度な需要増と少なくなった供給の両方によって生じた需給の不均衡と説明できます。つまりダブルパンチで物価上昇は起こっています。

 コストプッシュが起きているのには、特に人との接触があって新型コロナ感染のリスクのある低賃金労働の飲食産業をはじめとする応接関連では労働力不足が生じていて、賃金が上昇しています。
 その他、労働者によるストライキやアメリカの抱える構造的なインフラ問題、世界的なサプライチェーン問題などさまざまな供給抑制の要素が物価上昇に影響しているそうです。

 ディマンドプルでも新型コロナの影響は大きく、アメリカの消費の多くがサービスからモノにシフトしているそうです。
 フィットネスクラブを退会し、自転車や自宅用ダンベルなどを購入する人が増えるといった現象が見られます。

 バイデン政権は、令和3年3月に、民主党のみで成立させたアメリカ救済計画法(American Rescue Plan Act)に基づき追加給付金1人当たり1400ドルを支給しています。
 経済回復の進む中での1400ドルの追加給付金は、火に油を注ぐ行為でインフレを加速させた失策であったとの見方が有力だそうです。
 本当に、そんな影響力があるかどうかはわかりません。

 バイデン政権は、中央銀行の独立性維持の観点から、FRBの金利政策に公の場であからさまに口を出すこと控えるとみられています。

 FRBは、テーパリング(金融緩和の停止)の前倒しを決定しましたね。
 FRBの判断か、バイデン政権への忖度かはわかりません。

 バイデン政権は新型コロナのワクチン普及、失業率低下をはじめ想定以上の急速な経済回復、超党派インフラ投資法成立など政権発足以来、短期間にさまざまな成果を出しました。

 攻めあぐねていた共和党は、広範囲にわたる国民が気にするインフレ問題浮上で、ようやくバイデン政権の急所を見つけたようです。

 中間選挙は、現職大統領の与党が議席を減らすのが一般的ですが、できるだけ、議席減を防止できるかという問題のようです。
TOPへ戻る