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雑記帳

企業年金の新規利率低く 日本生命0.5%に、受け入れ再開

 日本生命保険は令和4年4月、企業年金の運用資金を6年ぶりに受け入れます。
 金利低下で運用成績が予定利率を下回りかねないとし、平成27年4月に新たな受託を止めていました。

 新規に受託する資金の利回りを、一般的な年1.25%でなく、0.50%とします。
既存分の利回りを据え置き、新規受け入れ分のみ0.50%とします。
 当たり前ですね。

 超低金利の長期化で企業年金の運用難が続くなか、利率が低くても一定の水準を保証する商品への需要は大きいと考えました。
 生命保険各社が運用環境に即した利回りを設定し、受け入れを再開する動きが広がってきています。

 日本生命はきわめて低い金利水準が続いても、0.50%の利回りは無理なく約束できると判断し、国内外の債券や株式で運用し、配当金を加えた実質的な利回りで上乗せをめざします。

 年金受給者に将来の給付額を約束する確定給付年金の運用額は65兆円規模で、生命保険会社と信託銀行、投資顧問会社が運用を担っています。
 運用額の約4分の1を占める生保は運用成績にかかわらず、おおむね1.25%の運用利回りを保証してきました。

 企業年金の運用環境は厳しさを増しています。
 運用の主力のひとつである国債の利回りは低水準で指標となる10年物はゼロ%近辺です。

 生保が受け入れを再開することで企業年金の運用の選択肢が広がります。
 資産構成の一部に生保が利回りを保証する分野を組み入れると、全体のリスク許容度を高められる面があります。リスクはあるが期待リターンが高い外国株式や、インフラなど代替資産への投資比率を増やすといった具合です。

 明治安田生命保険や住友生命保険は1.25%の予定利率を当面続ける意向ですが、同様の対応を求められる可能性があります。
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