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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

時価

 お寿司やさんでよくみる「時価」とは、どういう意味でしょう。

 英語にしてみればよくわかります。「market price」です。

 高価な生鮮食品など、市場価格(仕入値)の変動により、一定の売値が定まらない商品に対して用いられる価格表示です。

 典型的な例は、寿司屋のメニューにおける「時価」です。

 通常は、実際の価格は店員に直接尋ねて知り、注文することができます。

 おうような人は、価格など気にせず注文し、会計を終えてもなお単価が幾らであったのか知ろうとしない人もありますね。

 弁護士費用について、「時価」と思っておられる方もおられます。

 大昔は、そんな時代もあったそうです。

 今は、弁護士は、顧問先からの委任などを除いて、報酬契約書作成を義務づけられています。

 報酬契約書作成をしなかったからというだけで懲戒されるということはないようですが(自己責任でお金をもらわなければ問題ありません)、過大な報酬の請求をしたり、弁護士が相手から受取り、保管金口座に保管しているお金と相談もなしに相殺するなどすると、懲戒されることがあります。

 ということで、一般の方が、弁護士に頼まれるとき、事件終了まで「いくらかかるかわからない」ということは、「まともな弁護士なら」ありえません。

 つまり時価ということはありえません。

 なお、私のホームページ記載の金額も、あくまで「目安」であり、事件の難易度や依頼者の方のご事情等により増減額する場合があります。

 ただ、ほとんどの場合、ホームページを見られて相談に来られた方については、ホームページ記載の金額で報酬契約書を作成しています。

 例外の時も皆無とはいえませんが、報酬額についての合意ができるまで受任はしませんから、委任の後で「こんなはずでは」ということにはなりません。

 なお、弁護士は、相談者から求められれば、「受任する意思がある場合に限り」「見積書」を交付する義務があります。

 弁護士には、訴訟を依頼されても、受任する義務は一切ありませんし、また、受任しない理由を答える必要もありません。筋の善し悪し、得意不得意、思想信条、多忙、少額などさまざまでしょうが、「いわぬが花」ですね。また、受任しないのなら、相談者を傷付けるような理由を言わず、単に、多忙と答えるのは「嘘も方便」として許されるでしょう。

 「見積書」を求めて、弁護士を「はかり」にかけるような相談者の事件は受任しないという方針の人もいるでしょう。そういう弁護士は、「見積書」の発行をすることが全くないでしょう。案外多数派かも知れません。

 弁護士法には、条文はみあたりませんが、司法書士法21条に「司法書士は、正当な事由がある場合でなければ依頼(簡裁訴訟代理等関係業務に関するものを除く)を拒むことができない」と規定されています。

 司法書士は「簡裁訴訟代理等関係業務に関するもの」については、正当な事由がなくても依頼を拒めます。
 これと同じですね。
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