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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

命題



 ある命題、例えば「PならばQ」があるとします。
「Qならば、P」を逆(命題)と言います。
「¬Pならば、¬Q」を裏(命題)と言います。
「¬Qならば、¬P」を対偶(命題)と言います。
 
 もとの命題が真であっても「逆(命題)」や「裏(命題)」が真であるとは限りません。
 ただし、元の命題が真であれば「対偶(命題))」は100%真です。

 例えますと、
 「弁護士」なら「法律家」である。
 「法律家」なら「弁護士」である。(逆)
 「弁護士でない」なら「法律家」でない。(裏)
 「法律家でない」なら「弁護士」でない。(対偶)

 もとの命題は「真」です。
 ただし、逆は、「真」ではありません。弁護士以外にも、裁判官や検察官などの法律家がいるからです。
 裏も「真」ではありません。やはり、弁護士以外にも、裁判官や検察官などの法律家がいるからです。
 対偶は「真」です。

 ある会社の従業員が、売上をごまかして横領しました。
 ある弁護士が交渉を頼まれたのですが、「弁償してくれれば告訴はしないよ」と本人にいいました。
 「弁償しなければ告訴するぞ」という品のない言い方はしません。
 これらの言葉は同一の意味でしょうか。

 「弁償あり」なら「告訴なし」である。
 「告訴なし」なら「弁償あり」である。(逆)
 「弁償なし」なら「告訴あり」である。(裏)
 「告訴あり」なら「弁償なし」である。(対偶)

 「弁償してくれれば告訴はしないよ」は当初の命題、「弁償しなければ告訴するぞ」は「裏」ですね。
 逆必ずしも真ならず、裏必ずしも真ならずです。
 その弁護士の言い方だと「弁償しなくても、告訴をしない可能性がある」という可能性があるということになりますね。
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