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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

フィンランド、NATO加盟申請へ

 令和4年5月12日、フィンランドのニーニスト大統領とマリン首相は12日、共同で声明を発表し「フィンランドは速やかに北大西洋条約機構(NATO)加盟を申請しなければならない」と表明しました。

 ウクライナ侵攻を受けて長年維持してきた軍事的な中立政策を転換します。
 ロシアは反発していて、新たな東西対立の構図も鮮明になります。

 NATOの加盟国になれば、北大西洋条約5条の集団的自衛権が適用されます。
 仮にフィンランドが攻撃されればアメリカなどNATO加盟国に防衛義務が生じます。

 同じくNATO非加盟のスウェーデンでもNATO加盟の議論が大詰めです。
 令和4年5月15日には政権与党がNATO加盟申請について態度を示す見通しです。

 ロシアと約1300キロメートルの国境を接するフィンランドは、歴史的経緯からNATOに加盟せず軍事的な中立路線をとってきました。
 議会民主制と自由主義経済を維持しながら、旧ソ連に配慮して中立を標榜したことは「フィンランド化(Finlandization)」と呼ばれました。

 ウクライナ侵攻で安全保障環境は一変し、中立を維持しても安全を確保できないとの懸念が高まりました。
 世論調査で、NATO加盟支持は76%に達しました。
 侵攻前は反対が多かったのですが、急速に加盟支持に傾きましたた。

 ストルテンベルグNATO事務総長は令和4年5月12日、フィンランドの方針を歓迎し、加盟手続きは「円滑かつ迅速になされるだろう」と述べました。

 令和4年6月末の首脳会議で両国の加盟申請を確認する方針です。
 加盟には全30加盟国の批准が必要で、実現すれば令和2年の、旧ユーゴスラビアの北マケドニア以来となります。

 なお、加盟手続きは、紛争がないことが必要であるため、イギリス政府は、令和4年5月11日、両国が他国から攻撃を受けた場合に軍事支援すると約束しました。
 ロシアが、フィンランドのNATO加盟を妨害するため、フィンランドに侵略することを避けるためです。
 イギリスの行動については、アメリカなど他のNATO加盟国も追随する可能性があります。

 ロシアは反発していますが、自業自得ですね。
 ウクライナ侵略にあたって、フィンランドとスウェーデンのNATO加盟は思いつかなかったのでしょうか。
 スウェーデンはともかく、フィンランドのNATO加盟について、日本の識者が、ロシアがウクライナ侵略をしないという理由の1つとして、フィンランドのNATO加盟を招くことになり逆効果であると述べていた記憶があります。



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