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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

条件付き運航

 北海道・知床半島の沖合で乗客乗員26人が乗った観光船が沈没した事故で、運航会社は、港周辺に波風がなかったことから、出航後に海が荒れれば引き返す条件付き運航を行った、これが「条件付運行」であると述べました。

 あまり、遊覧船で「条件付運行」という言葉は聞きません。
 少なくとも、私は聞いたことはありません。

 ただ、別のケースで「条件付き運航」という言葉はよく聞きます。
 飛行機ですね。
 飛行機の場合「条件付き運航」とは、到着地の天候などの影響で、目的地に着陸することができず出発空港に引き返すことや、他の空港へ着陸する(ダイバート)可能性があると判断した便のことです。
 無償でキャンセルするか、その条件で搭乗して欲しい、キャンセルせず搭乗した以上、出発空港に引き返すことや、他の空港へ着陸しても文句はいわないでほしいということです。
 台風などで、飛行に危険のあると考えられる便は、最初からキャンセルされます。

 常識的に考えれば、出航後に海が荒れる恐れがある場合は、航行に危険がありますから、最初から欠航(キャンセル)となります。

 ウトロ漁港を拠点にする、他の観光船運航会社担当者は、「悪天候が予想される時は出航しない」と強調したうえ、気象条件に問題はないが、遊覧中に霧などで視界が悪くなった場合は引き返し、料金を一部返金することを想定した営業を「条件付き運航」と呼んでいると話しています。
他の2社も安全な条件に問題はないものの、波風の影響で客が船酔いしそうになったり、波で客がぬれそうになったりする場合、ツアー途中で引き返し、返金する仕組みと指摘しています。
 これが本来の「条件付き運航」でしょう。

 国土交通省は、桂田社長が説明した「条件付き運航」を問題視し、観光船の運航に関する安全基準の見直しを進めています。

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