本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

書類送検

 「書類送検」とは何でしょう。
 「書類送検」と聞いて、なぜ、逮捕されないのかと不思議に思う人もいるようです。

 逮捕状が出る事案でないことがあります。

 嫌疑の相当性(刑事訴訟法199条1項本文)はあるものの、逮捕の必要性(刑事訴訟法199条2項但書、刑事訴訟法規則143条の2)がない事例があります。
 逃亡の恐れがなく、証拠隠滅の恐れもない事例があります。
 証拠隠滅の恐れですが、口裏合わせをするなど、全くないとはいえないでしょうが、逮捕を必要とする程ではないでしょう。

 一般に、新聞などを読んでいると、身柄つき送検(逮捕のうえ送検)が多いように思われるかも知れませんが、逮捕されるほどの大事件が報道されますから、そう錯覚するだけです。

 略式命令ですむ事案は、結構、多いです。

 最高裁刑事局「平成26年における刑事事件の概況最近の統計」によれば、第1審における有罪率は、有罪・無罪の人員を対比する算定方法によりますと、約99.9%に達しています。これは、略式命令が含まれた数字です。

 ただ、略式命令は、略式命令手続きによることについて、被疑者の同意がないとできません。無罪を主張しているなら、公判請求となります。
 もっとも、略式命令等を除いた第1審における有罪率も、約99.8%の高い率を示しています。
TOPへ戻る