本文へ移動

2021年2022年バックナンバー

雑記帳

福知山脱線事故

 平成17年4月25日、兵庫県尼崎市のJR福知山線脱線事故から、17年が経過しました。
 JR福知山線脱線事故では、107人が死亡し、562人が負傷しました。
 遺族の方々に深い哀悼の意を表します。

 運転手は、業務上過失致死傷罪にて、被疑者死亡を理由に書類送検されています。

 また、平成23年1月19日に、業務上過失致死傷罪に問われたJR西日本の山崎正夫前社長に対し、神戸地方裁判所は、無罪(求刑禁錮3年)を言渡しました。
 また、平成23年1月25日までに、検察当局は控訴を断念しました。

 JR西日本前社長の刑事事件についての最大の争点は、事故現場を急カーブにする変更工事の完成時に、安全対策を統括する鉄道本部長だった前社長(つまり、社長としての犯罪で起訴されたのではなく、鉄道本部長としての犯罪で起訴されたことになります)が、危険性を認識し、事故を予測できたかどうかでしたが、山崎前社長に現場カーブの危険情報が伝わっていなかったなどと認定し、「前社長は事故を予測できなかった」と判断しましたから、当然無罪です。
 適切な判決だと思います。

 山崎前社長の上司だった井手正敬元会長ら3人の歴代社長が検察審査会の議決を受け、同罪で強制起訴されていますが、平成29年6月15日に無罪判決がでています。

 遺族の方が「あれだけの大事故で、誰も罰せられないのはおかしい」との趣旨の発言をされていましたが、本来は、業務上過失罪で起訴されるべきであった運転手が、事故で死亡したため、起訴できなかっただけのことです。

 日本の検察官は、一般に、「有罪の確信」がないと起訴しないといわれてきました。

 素朴な感情として、107人が死亡し、562人が負傷した大事故ということで「けしからん」という理解はできます。
 ただ、民事でJR西日本が損害賠償責任を負うのは、運転手の過失によることから明らかです。
 刑事は、被疑者が死亡して起訴はできません。

 トップが、監督責任をとって、職を辞するということはあるでしょうが、刑事上の処罰を受けなければならないということにはなりません。
 JR西日本の山崎正夫前社長の起訴をしたのは疑問です。
 また、山崎前社長の上司だった井手正敬元会長ら3人の歴代社長が強制起訴されていますが、これもまた疑問です。
TOPへ戻る