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雑記帳

航会社の無線設備、壊れて観光船と交信できず…別の会社が「救命胴衣着せろ」の声聞き通報

 令和4年4月23日、北海道・知床半島の沖合で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I」が消息を絶った事故で、運航会社「知床遊覧船」の無線設備が破損していたことが、令和4年4月26日、国土交通省関係者などへの取材で分かりました。

 国土交通省関係者によると、破損していたのは、運航会社社屋の屋根に設置されている無線用のアンテナで、沖に出た船舶との連絡に使用します。
 雪で破損し、使用できない状態だったとみられ、令和4年4月26日「知床遊覧船」関係者は読売新聞の取材に対し「会社の無線アンテナは、しばらく前から壊れ、事故時は船とやりとりができない状態だった」と述べました。

 いつ、どのようにして遊覧船に異常が起きたのか、異常は、座礁か、衝突か、エンジン操舵系のトラブルによるものなのかが全くわかりません。
 最初から、遊覧船と会社との無線による通信内容が全くでていないのはおかしいと考えた人は多かったと思います。

 事故当日に「KAZU I」の異変を察知し、同庁に最初に118番通報をしたのは知床遊覧船ではなく、斜里町内の別の観光船会社でした。
 この会社によると、「KAZU I」が帰港予定時刻になっても戻らず、無線で「どこにいる?」と尋ねたところ、船長と思われる男性から「カシュニ(の滝)にいて時間がかかる」と返答があったそうです。
 その後、慌てふためいた様子で「大変だ。ライフジャケットを着せろ」との声が聞こえたため、通報したそうです。

 この点も、「KAZU I」と会社との通信内容を傍受した人が、108番通報をしたと伝えられていました。

 旅客船事業者は事故発生に備え、海上運送法に基づき、安全管理規程で船と事業所間での通報・連絡手段を定める必要があります。
 国土交通省などは規程が順守されていたかを確認しています。


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