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2021年2022年バックナンバー

雑記帳

日本人はアジアよりヨーロッパに興味を持っている

 欧米メディアによりますと、ウクライナへの軍事作戦を統括するロシア軍の司令官に、ドボルニコフ氏が任命されました。

 容赦ない無差別攻撃をしたシリアでの戦績をかわれ、バラバラだった部隊をまとめる期待があるとみられます。

 平成23年に始まったシリア紛争で、ロシアは、アサド政権への軍事支援を続けました。
 平成27年からは直接、ロシア空軍部隊を派遣し、反体制派エリアへの無差別空爆を開始しました。
 ロシア軍は病院、学校、市場、民家を破壊し、民間人多数を殺害し続けました。
 そして、現在も続いています。
 ロシア軍がシリアで戮殺した民間人の人数は、6900人から8700人といわれています。

 シリアと同じ事をウクライナでもするということでしょう。

 ロシアのウクライナ侵略は、毎日のように報道されています。
 しかし、ロシアが、シリアで同じ事をしたと知っている人は必ずしも多くないでしょう。

 日本人が見ている戦争や侵略についての日本の報道は、アメリカやヨーロッパのマスメディアの放送内容をそのまま伝えたものといえます。

 シリアでの大虐殺は、アメリカのCNNやイギリスのBBC、ドイツのZDFなどで結構放送されていましたが、日本でのマスコミは大きくは報道していません。
 ですから、知らない人は知らないと思います。

 ただ、ウクライナの場合は、アメリカのCNNやイギリスのBBC、ドイツのZDFは毎日トップニュース扱いです。コロナの報道は、ずいぶん後回しです。
 いきおい、ウクライナの惨状は、日本でのニュースの扱いも大きくなります。

 シリアは遠い中東のことです。
 石油の心配をしても、シリアの虐殺に心を痛める日本人は少ないでしょう。アフガニスタンも同じ事です。
 また、ロシアとは関係ありませんが、ミャンマーでの虐殺も、中東よりは近いですが、あまり日本人に関心はありません。

 もともと、世界の白地図を示して、シリア、アフガニスタン、ミャンマーの位置を示せといわれても「?」となる日本人も多いでしょう。

 ヨーロッパやアメリカ(ウクライナ系のアメリカ人カナダ人は結構います)の人が、歴史的つながりの強いウクライナの人々により強い関心を持つのは当然です。同情するのも当然です。

 日本人が、中東やアフリカや東南アジアには関心を示さず、ウクライナの方に関心を示すのは、欧米の報道をそのまま流している日本のメディアを通じて海外の情報を入手していることが1つの理由です。

 ただ、日本人の価値観や考え方は、中近東やアフリカや東南アジアはもちろんのこと、東アジアの韓国や中国と比べても、ヨーロッパ人やアメリカ人に似ているということも理由の1つでしょう。

 難民・避難民にしても、中東やアフリカや東南アジアよりも、日本人に価値観や考え方が似ているヨーロッパ人やアメリカ人の方が抵抗は少ないでしょう。

 日本人は見た目はアジア人ですが、価値観や考え方はヨーロッパ人やアメリカ人に似ているような気がします。
 例えば、法の支配、法の下の平等、約束は守らなければならない、といった基本的な価値観や考え方は、日本人とドイツ人は似ていますが、日本人と韓国人や中国人は似ていません。

 もともと、そうだったかも知れませんし、明治維新後かも知れません。戦後かも知れません。
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